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乳がん体験記佐藤さん編⑩再建手術後の通院と修正手術への思い

 

 

前回の記事「乳がん体験記 佐藤さん編⑨乳がんの乳房再建手術後の乳房と対面」は健康な乳房の脂肪を乳がんのあった乳房に移した乳房再建手術について内容です。

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乳房再建手術して退院後、1週間、3週間、3カ月、6カ月、1年と検診をしました。退院後1週間目の検診では縫い目がケロイドになっていないかのチェックと移植した脂肪の定着具合を診てもらいました。

そして、縮小した乳房の半円形に縫っている縫い目を乳房のアンダーラインにするためのテーピングを教わりました(乳がんのなかった左の乳房の脂肪を乳がんのあった右乳房に移した手術をしました)。
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テーピングする前は「お椀型」だった乳房がテーピングすることで折り目ができ、「しずく型」の乳房になっていくと言うことでした。確かにテーピングした部分が胴体にピッタリ押さえられることにより、乳房の重みで少し垂れて「しずく型」になってきました。しかし、脂肪は術後10日目と変わらず「板こんにゃく」が入っている感じのままです。

退院後3週間目の検診で医師が言った通りに「しずく型」の乳房になったからテーピングも不要になりワイヤー入りのブラジャーをしてもいいことになり、嬉しくなりました。最初からスポーツブラはして良かったのですが、テーピング部分が押さえつけられて痒かったためにノーブラだったのです。

新しいサイズになったことでブラジャーを買いに行くのが楽しみでウキウキでしたが、診察最後に形成外科恒例の三方向からの写真を撮ることになりテンションが下がりました。形成外科の写真は拒んでもいいはずですから、恥ずかしい人は拒んでくださいね。

術後6か月後の検診の頃には板こんにゃくのようだった移植した脂肪は柔らかくなってひとつの乳房にまとまりました。素敵な乳房になったのですが、乳輪の位置が上過ぎることが気になって医師に伝えましたが、医師からは期待に反して

「下着をつけて服着たら分からないからいいよね。」

服着て分からないのだったら、乳房再建手術前と同じなのに・・・・・・。やはり、医師といえども男性なので、女性の気持ちが分からないのねと思った瞬間でした。乳房再建手術は保健適用の形成外科で治したから、これ以上を望んではいけないのかが分からず、この時は何も言えませんでした。確かに おかしいのは1センチほどなので修正するほどではないのは確かです。

私は左右ともに新しくなったから比べようがないのでいいですが、健康な胸に合わせてインプラントを入れて再建をすると左右差が出るため、乳房再建しても納得がいかない方が多いそうです。

再建手術後の通院中に形成外科の待合室で他の病院で乳房再建したが修正を希望している方に出会いました。その方は健康な胸とインプラントを入れた胸の乳輪の位置が違うことを気にされていました。ご主人からは「これ以上、身体にメスを入れなくてもいいじゃないか、必要ない。」と言われているが、納得ができないからと来られていました。

毎日、毎日、目にして切なく悲しい思いをするのは自分自身だから、納得できるようにしてもらってくださいね、と声を掛けたものの、言えない言葉がありました。「再建手術は再現手術ではないために、元の形にはならない」と言うことです。さずがにこれは残酷過ぎて言えませんでしたが。

先ほども伝えたように私自身、乳輪の位置が上過ぎることが原因でブラジャーによっては乳輪が収まらないこともあります。50歳を超えているから、そこまで気にすることはなかったのですが、気になり始めると気になって仕方がなくなります。気になり始めたときに夫に修正手術をしてみようかと相談しても、「気にすることは全くない、」「このままで良い。充分だよ。これ以上だと整形だよ。」と反対されてしまいました。

夫は軽い気持ちではなく本心で言ってくれているのでしょうが、私はやはり修正手術をしたくなっていました。理由は夫に触れてもらえなくなってしまったからです。夫がどんなに「今のままでいい。」と言われても、触ってもらえなくなったことが私を落ち込ませました。

確かに再建前は触られると痛かったりしたので触らないようにと気を使ってくれていたようでしたが、術後は乳輪の位置がおかしいから夫が触らないのではないかと勝手に思ってエッチもしなくなっていました。

こんな経験している人は私だけではないようで、同じように悩んでいる人に相談すると、メールで『これから生きていく何十年を「これじゃいやだな」と日々感じながら生きるのって、つらくないはずないと思います。手術のご負担などもあるでしょうから、やるにせよしないにせよ、よく考えてご自分の気持ちで決められたらよいのではないでしょうか。』とお返事をいただき、修正手術のことを病院に相談することにしていましたが、意外にも夫が触れてくれることで解決してしまいました。おかしなものです。

結局は乳輪の位置がどうこうというより、夫次第だったということでしょうか。どんな形状になったとしても現実を受け入れるには精神状態次第なのだとおもいます。そのためにもパートナーや夫の協力は欠かせません。乳房再建をしたから終わりではないのです。

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[全ての記事]

「乳がん体験記 佐藤さん編①乳がんの発見とマンモグラフィ検査」

「乳がん体験記 佐藤さん編②乳がん検査(穿刺吸引細胞診検査)と告知」

「乳がん体験記 佐藤さん編③乳がんでの入院とステージの告知」

「乳がん体験記 佐藤さん編④乳がんの手術(術後の写真あり)」

「[乳がん体験記 佐藤さん編⑤]乳がんの手術後の放射線治療」

「乳がん体験記 佐藤さん編⑥乳房再建手術までの道のり」

「乳がん体験記 佐藤さん編⑦乳がんの乳房再建手術の術前検診」

「乳がん体験記 佐藤さん編⑧乳房再建手術(術後の写真あり)」

「乳がん体験記 佐藤さん編⑨乳がんの乳房再建手術後の乳房と対面」

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