この記事は「乳がん体験記 佐藤さん編⑥乳房再建手術までの道のり」の続きの記事です。
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乳房の再建手術は関西電力病院の形成外科で行なうことになったのですが、ネットで調べてもこの病院の詳しい実績のことが分からず不安だったので、どんな情報でもいいので教えて欲しいと聞いて回った結果、知人から「なかなか技術が高いことで有名だ」と聞き、安心できました。
そして、関西電力病院に診察に行ったのですが、担当医は紹介状に書かれていた医師ではなく、その方の上司で形成外科部長でした。担当医にはインプラント(シリコン)は入れたくないこと、そして豊胸手術のように脂肪を移植したいことを伝えて乳房再建をお願いしました。
医師に現状の胸を見てもらい手術の方法を提案されましたが、やはりお腹か、お尻の脂肪を切り取って移植する方法でした。
お腹やお尻から脂肪を取る方法でも良かったのですが、私の健康な方の胸がFカップだったので、ダメもとで「健康な方の胸の脂肪を癌のあった胸に入れることはできませんか?」と遠慮がちに尋ねたのですが、医師は「できますよ。」と。意外にも乗り気な様子で絵を描いて説明してくださいまして、「外国では大き過ぎる胸を縮小することは少なくない」とのことでした。
その手術とは健康な胸から取り出した脂肪を薄い板状にしてガンがあった胸に入れるという術式です。医師から言われたこの手術のメリットは
〇垂れた胸(健康な胸)も吊り上げられて両胸のバランスも綺麗になる
〇この手術だと両胸が健康保険適用になる
と言うことでした。
しかし、私にはこの手術に関して2つ不安なことがありました。
[1つ目の不安]
ガンのあった乳房の乳輪を丸く外して脂肪を入れ、その後に乳輪を戻してからその乳輪に沿って針で縫う予定だと聞いていたので、「乳輪を外すとその個所が壊死しないのか」という不安です。
それについて医師に「乳輪が腐って乳首がポロって落ちたりしないの?」と尋ねると、「唇や性器など原始的な生物の時代からあるものはどこにでも付けられるので大丈夫ですよ」
と説明をされました。
[2つ目の不安]
入れた脂肪は定着しにくいという情報を知っていたので、「脂肪が定着しなかったときは、どうするのですか?」と聞いたところ、「そのときは、お腹の脂肪を移植しましょう」との答えでした。
このように不安がないように説明をしてもらい、手術をすることに決め、仮予約で手術日も決めました。手術日は、10日から2週間の入院を考慮して3カ月後に決めました。
その後の診察では手術をするための準備として、現状の胸の写真を撮りました。上半身裸になるように言われましたが、鏡で見ることはあっても写真に残すなんて健康であっても今までになかったことなので、すごく恥ずかしかったです。正面、右斜め、左斜めの三方向から撮影されてカルテに保管されました。
それから2か月後の手術前検査を受診したときに、パソコンのカルテでその写真を見たのですが、この胸とお別れとなるのだと思い、医師に頼んで記念に写真をいただきました(笑)
その後、診察室で手術の同意書を書くことになったのですが、「未成年者ではないから家族の同意は要らない。本人のサインだけでいい」と説明され、ガンの切除手術とは大違いで驚きました(手術をした病院では家族の同意書も必要でした)。ガンの手術でも同じなのかと聞いたら、関西電力病院では同じだと言うことでした。
入院の手続き中にも、関西電力病院では患者の気持ち優先するために『あなたのお気持ちを聞かせてください』というアンケートがあり、「病状を説明して欲しい人」のほかに、「病状を知らせたくない人」を記入できるのには感心しました。
いよいよ来月に手術です。その前に手術した病院で定期検診があり、来月、再建することになったことを担当医に伝えると、「あまり期待しない方がいいですよ。遠目に見て分からない程度になるだけですよ。」と言われました。この言葉には驚きましたが、反論することもなく黙っていました。
しかし、心の中では「病気で心が傷ついて落ち込みやすくなる時期にそんなことを言うなんて医者じゃないぞ!」とつぶやきました。
……………………体験記事終わり
続きは
「乳がん体験記 佐藤さん編⑧乳房再建手術(術後の写真あり)」
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