コレステロールが高い人ほど病気による死亡率が低いことはご存知ですか。コレステロールが高すぎると病気になり、早く死ぬというのは嘘です。その証拠を3つの例を挙げて説明します。
①
茨城県立健康プラザが10年かけて行なった調査によると(のべ9万人)LDLコレステロール値が高い人ほど総死亡率が下がる傾向にあることが分かりました(LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれています)。総死亡率の統計には癌などあらゆる病気が含まれています。
②
東海大学の大櫛陽一先生が行った調査(8年間で2万6000人)によると「総死亡率」はLDLコレステロール100mg/dl以上で低く、100mg/dl未満で上がっています。日本のLDLコレステロールの基準値は70~139mg/dlです。
③
アメリカでは心筋梗塞を減らすために食事と薬でコレステロール値を下げるプロジェクトが行なわれました。結果的にコレステロール値を下げることには成功したのですが心筋梗塞は減らなかったという結論がでました。これを機にアメリカではLDLコレステロール値を190mg/dlまで緩和。日本は120mg/dl以上を保健指導、140mg/dl以上を受診勧奨ですのでかなりの開きがあります。
④
日本脂質介入試験という臨床試験によると総コレステロール値が220mg/dlから260mg/dlの人たちは一番様々な病気の死亡率が低いことが分かっています。さらには「180mg/dl未満の人」では「220mg/dlから260mg/dlの人」の2.7倍も総死亡率が高い。
日本の総コレステロールの基準値は150mg/dlから219mg/dlです。
まとめますとコレステロール値が高い人ほど癌などの病気にかかりにくいということになります。総コレステロールは240mg/dlから280mg/dl(年齢性別によって違う)がいいようです。これは欧米の基準280mg/dlからしても正しい数値と言えます。
[追記]
厚生労働省が2015年にコレステロールの摂取基準の設定を止めました。食事から摂り入れるコレステロールは血液中のコレステロールにほどんど影響しないので、目標値の設定の意味がなくなったからです。日本動脈硬化学会も同時期に同じような声明を発表しています。
コレステロール薬の副作用
コレステロール薬の添付文書を読んだことありますか?
一例を挙げますと
肝・腎(じん)機能の異常
尿潜血、筋肉痛、脱力感、
味覚異常、頻尿、高血糖、
糖尿病、横紋筋融解症
脳梗塞、肺炎
など….。
恐ろしいですね。
つまり、コレステロール薬を飲むと糖尿病(糖尿病の発症率を1.7倍増やすと言う研究結果もある)になったり、脳梗塞になったり、筋肉が溶けたりする可能性があります。おしっこが茶色くなっていたら筋肉が溶けている証拠です(筋肉痛になったら気をつけてくださいね)。それでも飲みたい人は覚悟して飲みましょう。
そもそもコレステロールとは
コレステロールはLDLコレステロールとHDLコレステロールの2種類ありますが、LDLは新しいコレステロールを全身に運ぶ役割があり、HDLは余分なコレステロールを肝臓に回収する役割があります。
つまり、役割が違うだけでコレステロールには良く言われているような悪玉も善玉もありません。ではコレステロールは何に使われるのでしょうか。
例えば
①
筋肉などあらゆる細胞の
細胞膜の材料。
免疫細胞の膜にも必要
②
男性ホルモン、女性ホルモン、
副腎皮質ホルモン
などのホルモンの原料
③
脳や全身の神経線維の材料
④
胆汁酸の生成
胆汁酸は脂肪の消化に不可欠
⑤
三大栄養素である脂質の大事な材料
など。
コレステロールと聞くと悪者のように思ってしまいますが、実は人体に必須の材料だったのです。このような機能がありますのでコレステロール値が低すぎても危険な理由がお分かりでしょう。
[後記1]
東海大学の大櫛先生が実施した8万人調査で卵を食べ過ぎてもLDLコレステロール値は上がらないことが分かりました(週に14個食べても上がらなかった)。
[後記2]
スタチン系薬剤で数値を下げても心筋梗塞は減らないというデータがたくさんあります。逆にスタチン系のリポバス、シンスタチン、ラミアンなどは心筋梗塞の危険性が高まることが分かっています(笑)
[後記3]
更年期の女性は総コレステロール値が高くなる傾向がありますので280mg/dlくらいでも大丈夫です。この理論も分からない医者には気を付けましょう。
[後記4]
動脈硬化は脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしますが、コレステロールが主な原因ではありません。過剰な糖質とコレステロールが結びついて初めて動脈硬化を引き起こします。ですので、コレステロールを気にするのであれば「精製された炭水化物(糖質)」を減らすこと。
例えば
パン(小麦粉)
白米(精製された米)
お菓子(白砂糖)
ケーキ(白砂糖)
…など。
パンやお菓子は一切食べる必要は無いですが、お米は量を半分にするなどして糖質の摂取を減らしてください(パンやお菓子はトランス脂肪酸が含まれているので癌になりやすくなります)。
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