アメリカとスイスの政府はマンモグラフィーに対してどのような考えを持っているのかを説明します。
〇米保健福祉省は2009年にマンモグラフィーを受ける推奨年齢を40才から50才に引き上げましたが、今年もこの方針を引く継ぐことを決めました。
〇スイスの医療委員会はマンモグラフィーの検査が死亡率の低下に寄与しないとして推奨勧告自体を廃止した。
このように二つの国はマンモグラフィーに関して評価が二分しているのですが、共通点もあります。
それはマンモグラフィー健診での偽陽性の問題です(偽陽性とは文字通り、本来陰性であるものを陽性と判断してしまうことです)。
偽陽性により、本来受けなくてもいい検査や手術などの過剰な医療が行われることへの不利益が大きいと言っているわけです。
偽陽性と判断されてしまう理由の一つは乳腺密度です。
乳腺密度が高いとマンモグラフィーでは見付けにくくなるのですが、閉経後の女性は乳腺密度が低いので乳癌が見つけやすくなります。
だから、米保健福祉省はマンモグラフィーの受信年齢を50才以降がいいと言っているのです(閉経はおおよそ50才前後です)。
乳癌を見付ける難しさについて、聖マリアンナ医科大学附属研究所ブレスト&イメージング先端医療センター附属クリニック院長福田護さんは次のように言っています。
要約すると日本人女性は乳腺密度が濃く、マンモグラフィでは真っ白に写ってしまう。
また、乳癌も真っ白に写るために区別がつかなくなる。
と言っています(日本人に比べて、欧米人は乳腺密度が少ないのでマンモグラフィで見つけやすい)。
北斗晶さんも毎年乳癌検査を受けているにも関わらず、見つかった時には2センチの大きさになっていた事実からして、乳癌健診の精度の低さが分かります。
単に医師の腕の問題だけではなく、検査機器の精度の低さも一因です。
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