この記事は「大腸がん手術の結果。見える範囲全部取ったが転移の不安」の続きです。
大腸がんの手術が終わった後の抗がん剤のお話です。
………
ー病理検査の結果ー
娘が修学旅行から帰ってきた。あんなに泣きながら行ったのにニコニコしながら帰ってきた。お土産話もいっぱい。無事に帰ってきて、そして『おかえり』と言ってあげられたことが本当に嬉しかった。
大腸がんの手術をするため私は有休を使い休んでいた。事務の仕事をしていた為、仕事が山ほどたまっていた。そんなわけで退院してから2、3日は自宅療養していたが、手術後10日目で仕事に復帰した。今考えるとありえないですね。
そして退院から一週間後、術後の検診に出かけた。検診と病理検査の結果を聞くためだ。ちょうどその朝、俳優の今井雅之さんがテレビで『ステージ4です』と言っていた。
それまで何とかなるさと思って過ごしていたが、今井さんは私と同じ大腸がんであること。そしてすごく痩せた姿に落胆した。どうしても重なってしまう。
なにも検診の日に会見を開かなくても…。気が重く、最悪の事態も考えながら病院へ向かった。
旦那と一緒に診察室に入った。
執刀医からの病理検査の結果説明。
『転移はしていませんでした。』
良かった~。
私の大腸に巣食った癌は、7㎝×14㎝とかなり大きなものだった。幸いにも浸潤がなく転移していなかった。深くではなく横に這うように癌が大きくなっていた。
執刀医は長年の経験から手術の段階ではステージ3だと思っていたらしい。まさかのステージ2。嬉しいとしかいいようがない。ただ癌が大きかったこと、そして若くして癌を患ったことで術後の化学療法を勧められた。化学療法…いわゆる抗がん剤。
大腸がんのガイドラインではステージ2は化学療法は必要ないと書いてあるそうだ。10人中8人の医師は必要ないと言うだろうとも言われた。でも直接執刀した先生から勧められたらやった方がいいのかな。後日家族とも相談し、化学療法を受けることに決めた。
ー第2の戦い 化学療法ー
化学療法は2種類から選択できた。
飲み薬のみと点滴+飲み薬。
この点滴がかなりの副作用があるので、旦那は飲み薬のみを希望していたが、姉からやるなら完璧な方でという強い希望があった。かなり悩んだ末に点滴+飲み薬の選択をした。
子供達の為にも再発は許されないと思ったから…。副作用も覚悟していた。吐き気、倦怠感、脱毛、手足の痺れ。どこまで耐えられるか…でもやるしかない。
私が投与する『オキサリプラチン』は血管痛がある為、首の中心静脈にCVポートと呼ばれるカテーテルを、ポート本体は左鎖骨下に埋め込んだ。どうせやるなら手術の時に埋めて欲しかった。部分麻酔なので意識はある。とにかく怖くてたまらなかった。
点滴のオキサリプラチン1回を3週間おきに、飲み薬のTS-1を2週間の飲み1週間休みで1クール。全部で8クールの予定。今は外来でも化学療法を受けることができるので、仕事をしながらでもできる。
でも仕事を続けながら副作用と戦うことができるのだろうか。倦怠感は我慢できたとしても、一番気になるのは脱毛。それだけが気がかりだった。当時髪が長く結んでいたので、もしウィッグになっても違和感がないように肩ぐらいまで切り結ばずにおろしていた。
初投与の日。化学療法室で血液検査をし、診察を受けた。化学療法を受けると白血球が少なくなってしまう。白血球が少なくなると感染症にかかりやすく、風邪をひいてもいけない。かなり体調管理をしっかりしなければ。
診察を受け化学療法室に行った。
点滴が終わるまで3時間。
ベットに横になりCVポートから抗がん剤が投与された。
ー3時間後。
体がおかしい。
フラフラする。
旦那についてきて貰って良かった。
真っ直ぐ歩けない。
その夜はご飯も作れなかった。
夜に飲み薬の抗がん剤を飲んだ。
吐き気は最初から吐き気止めを服用したのでそれほど酷くはなかったが、別の副作用が。これから副作用との過酷な戦い。そして更なる悲劇が襲った。
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