この記事は「乳がん体験記 佐藤さん編⑧乳房再建手術(術後の写真あり)」の続きです。
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手術翌朝は、まだベッドから動けない上、睡眠不足で頭痛がひどかったです。病院なので、すぐに薬が処方されて治りましたが。執刀医には何か質問があれば看護婦さんを経由して話しを聞くことが出来ましたが、困ったことがあれば病棟の他の医師が来てくださったから困りませんでした。
手術を終わっても直ぐに退院できるわけではなく、10日は入院生活が続きます。手術日を含め3日間は寝るときも点滴されましたが、病院内を点滴引き連れて糖尿病の患者さんとウォーキングしていました。
そして、やはり気になるのは胸の形です。両胸にカテーテルを1個ずつと膀胱にもカテーテルが付いていますが、それでも自由に動けたので、今の状態を写真におさめることにしました。かなり腫れていますが息子が言っていたように左右が同じ大きさでした。嬉しくなって、心が躍りました。乳房が無くなって憂鬱な日々を長年過ごしましたが、とうとう乳房の復活です(笑)
それにしても最近の外科手術では包帯などは使わなくなっていることに驚きました。上の写真を見ていただければ分かりますが、縫い目は全てラップのようなビニールテープで覆われているだけです。医師や看護師にとっては縫い目が見えた方が楽だと思いますが、私はいきなりの対面でショックを受けました。縫い目の痛々しい姿に、どうしても慣れませんでした。
4日目には両胸にぶら下がっていたドレーンも外され、点滴もなくなり、シャワーしてパジャマに着替えられたので、ずいぶん楽になりました。することもなく食べては寝ているだけでしたので、体力の消耗もなく、順調に回復していました。
そして、7日目には抜糸してもらいました。細かく縫われているため、抜糸もかなり時間が掛かりました。抜糸後に縫い目に細い小さな保護テープを貼り付けていく処置もあり1時間ほど掛かりました。
抜糸をしている間に医師から「110グラム分の組織を取り出して、その組織の中にある脂肪を薄い板状にして反対側の胸に入れたこと」を聞きました。
脂肪を移植した部分が、板こんにゃくが入っているような感じに硬くなってきたことを尋ねると医師はこう言いました。
「脂肪は薄く板状にすることで定着が良くなるが、取り出して形成し直した脂肪は硬くなってしまう。しかし、体が異物だと反応しない限りはいずれ周りの組織から血管が伸びてきて血が通い柔らかくなっていく」と云うことでした。人間の身体ってすごいだと感動しました。
抜糸が終わり、医師が部屋から出て行ってから、しげしげと新しくなった胸をみると乳輪が一回り小さくなっていました。しかし、前の左右アンバランスのあった胸に比べると大違いです。白黒の世界からカラーになったくらい気持ちが明るくなりました。
退院は術後10日目だったのですが、もう少し入院した方が身体に負担はないようです。家に帰って洗濯や掃除など手を使う作業で大胸筋が痛くなってしまったので、乳房再建される方は、2週間以上は安静にされた方が良いかと思います。
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