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[乳がん体験記 原さん編③]細胞診、組織診の結果と告知

 

この記事は「[乳がん体験記 原さん編②]初めての乳腺外科。超音波検査で5mmのがん発見」の続きです。超音波検診で5mmの癌が発見されたことで細胞診、そして組織診の検査を受けることになりました。
……………..体験記はここから

細胞診検査では、エコーでシコリの位置を確認しながら注射器の細い針を刺し、細胞を取ります。先生は「あれ、逃げよるな~」と言いながらシコリに針を刺します。言っている意味が分かりませんでしたが、先生にその意味を聞く精神的な余裕はありませんでした。細胞診検査はあっけなく終わりましたが、あまり痛みは感じませんでした。

思い返せば、細胞診検査を受けてから、結果を聞くまでの1週間が精神的に一番つらかったです。その間、乳がんの個人ブログを読んでいたのですが、余計不安になってしまい、精神的な不安に拍車をかけてしまいました。個人ブログを読み進むうちにブログの本人が亡くなっていて、最後に家族の方が、感謝の言葉をのべているのが最新ページと気づき、愕然としたり。

しかし、中には細胞診検査を受けたけれども結果は陰性の体験記を見つけて安心したこともありましたので、一概に不安を掻き立てられただけではありませんが….。

思い返すと、やはりこの頃は、些細なことに一喜一憂し、感情的にとても不安定でした。

そして、やっと迎えた細胞診の結果が出る診察の日、この時は幸いにも待たされませんでした。診察室に入ると、先生がわりと淡々と「この間の結果ですが、」と言って見せてくれた紙には「4」の数字が。これは限りなくクロに近いグレーとのことです。首の皮一枚でつながった感じでしょうか。

そこで、今度はさらに太い針で組織をとる「組織診」をすることになりました。「細胞診」より組織をたくさん取るので、もし癌であればどういったタイプかなどの詳しい情報もわかるそうです。組織診では、局所麻酔をしました。今日、癌かどうかはっきりすると思って覚悟してきたのに、またしばらく宙ぶらりんの状態が続くのかと、少しうんざりしました。初めから組織診をしてくれたら、とちょっと思いましたが、最初は体に負担の少ない方法から段階を踏むそうです。

私はこの日、組織診の検査が終わった後に、我慢できず、
「癌であるのはどれくらいの確率ですか?」
と先生に聞きました。

「ほとんど癌と思っていいと思う。」と先生。
「結果を聞きにご主人とこられますか?」
これは、ドラマでみた通りと思いました。
このセリフがでたら、状況はあまり良くないですよね。

私「主人は頼りないので、一人で来ます」
看護師さん「そうですよね~。男は。」
とみんなで一緒に笑いました。

主人は、私より落ち込むとがわかっていましたし、それを慰める余裕も私にはないだろうと思ったのです。私も、だんだん覚悟が出来てきたのかもしれませんが、この期に及んでも私は癌ではない淡い希望も捨てていなかったことも事実です。

組織診から結果がでるまで、幸い初めての単独海外出張が入っていて、前回のように思い悩む時間が無くそれは本当に助かりました。しかし、帰りの飛行機の中でまた不安が湧き上がり、「どうか癌ではありませんように」と必死で祈りました。かといって、私に宗教心はありませんが、「藁をも掴む」といいますか、神でも人でもいいから「助けてください」という必死な思いでした。

帰国の1週間後の診察の日は「決して悪いことが起きるはずない」と思わせるようなきれいな青空だったのを覚えています。

「告知」は病室で泣き崩れるような雰囲気とは違いました。

検査結果の紙を見ながら、
「この間の結果、やっぱり乳がんだったね。それでね、今後の予定なんだけど」
と非常にあっさりしたものでした。

祈りも空しく結果は、「乳がん」

私は、ショックというよりもやっと診断されたことに、すっきりしました。先生も、テキパキと今後どうするかについての話を始めます。

……………..

続きは「[乳がん体験記 原さん編④]他院でのセカンドオピニオン」

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