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乳がん体験記 森さん編⑥MRIで3つ目のしこりが見つかる

 

この記事は「乳がん体験記 森さん編⑤RIとCTの検査が始まる」の続きです。

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RIとCTの検査の1週間後に、今度はMRIの検査がありました。前回の検査で副作用が出てしまったこともあり、今回は造影剤はないだろうなと思っていたのですが、また造影剤を使用するとのことでした。それも点滴をしながらの検査です。血液検査を含めると、手術前に何回針を刺されるんだろう、と思ってしまいました。私は血管が細く出にくいので、看護師さん泣かせなのです。

今回の一連の検査では、1回で刺してくれているので助かりますが、数回やり直しはいつものことです(出産のため、帝王切開の手術をした時の点滴では、6回やり直されました! 最多記録と言われました……)。

今回は、胸部MRIで、腹ばいになって胸の部分を撮影します。造影剤の使用は、副作用が心配でしたが、特に問題なく終わりました。担当して下さった看護師さんが、前回と同じ方だったので心強くもありました。

撮影が終わって点滴を外す時に、看護師さんに、
「先生が、来て下さっていますよ」
と言われ、見ると、ガラス越しに担当医がこちらを見ていました。前回、副作用があったので、心配して来てくれたとのことでした。検査室を出ると、先生の姿は、ありませんでした。忙しい中をぬって、来てくれたのだと思います。

それからまた1週間後、検査の結果を聞きに行きました。今度は、夫も一緒です。1時間待たされている間、ずっとドキドキしていました。やがて、私の番になって、診察室へ入ります。検査の結果、転移はないとのことでした。ただ、3つ目のしこりが見つかったのです。乳頭の下に、2ミリほどの小さなしこりがあるとのことでした。

急遽、その場で針生検をすることになってしまいました。今回は、しこりも小さいので、小さい針だけで細胞を取ります。前に2つのしこりを針生検した時、大きい方のしこりは、麻酔をかけて太い針で細胞を採取しましたが、小さい方のしこりは麻酔を使わないで細い針で採取しました。細い針とはいえ、乳房の表面から、中のしこりまで刺すので痛いのです。またか……、と思いましたが、仕方ありません。

このしこりが悪性であるならば手術は全摘になる、とのことでした。この時点ではまだ、温存の可能性もあったのです。全摘……それは、片方の乳房を失うことを意味しています。未練は、そんなにありませんでした。もともとコンプレックスの小さい乳房です。

でも、乳房を全部取ってしまうって、痛いんだろうなあと、術後の痛みが気になっていました。先生に聞くと、温存でも、全摘でも、痛みはさほど変わらないとのことでした。それを聞いて私は、全摘でも構わない、と思うようになりました。複数のガンがあるのでは、温存にして取り切れなかった時の方が、怖かったからです。

この日、手術日が決定しました。2週間後の、7月下旬。子供が夏休みに入って、すぐです。役員になっている、幼稚園の納涼祭には、何とか出られそうです。幼稚園のお母さんたちには事情を話していましたが、手術日もなかなか決まらず(担当医と会えるのが週に1回だったので)納涼祭の準備も出れないときがあり迷惑をかけていましたから、少しほっとしました。

もっとも、ほっとしている暇もなく、自分の入院準備や、子供を実家に預ける準備に追われることになりますが。でもそれが、逆に良かったのかも知れません。忙しくしていることで、病気のことを考えてナーバスになっている余裕はありませんでしたから。

続きは「乳がん体験記森さん編⑦針生検をした3つ目のしこりの正体が判明」

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