今年の冬は、世界的にインフルエンザが猛威をふるい、日本では数多くの学校でインフルエンザにより学級閉鎖したとの話を毎日のように耳にします。
フランスでも、私の周りを見ても、今年は特にインフルエンザにかかっている人が多いようです。今年は私も感染してしまいました。そこで、フランスでのインフルエンザにまつわる私の経験談をお話ししたいと思います。
学級閉鎖がないフランスの学校機関
日本では学校保健安全法と校長先生の判断により、クラスの約3分の1の生徒が休むと大抵学級閉鎖になるようですが、フランスでは法律では特に定められてはおらず、特定の病気による閉鎖は耳にしたことがありません。ちなみに日本とは違い、職員のストライキで学校閉鎖はよくあります。
娘が通っている幼稚園でも、先週はもともと16人いるクラスメイトのうち、5人ぐらいお休みでしたが、普通に娘のクラスは開いていました。しかし他の2クラスは、担任の先生がインフルエンザでお休みしてしまったため、急遽代理の先生を探すのに、園長先生は大変だったようです。
娘のクラスメイトも、明らかにまだ完治しておらず具合が悪そうなのに、親が仕事を休めないとの理由で、半ば強引に幼稚園に来ている子もちらほらいました。そんな子達からインフルエンザ菌を娘が貰ってしまうのではないかハラハラしていたら、うっかり私がインフルエンザに感染してしまいました。
インフルエンザ疑惑で主治医のもとへ
感染したと思われる日の夜から全身の倦怠感、関節痛に悩まされ、翌日から発熱、40度の熱を記録しました。仕方なく翌朝、日本で買った白いマスクをして主治医のところへ。
マスクをして歩いていたら、通りすがりのフランス人みんなが私を奇異の眼差しで見つめ、私を追い抜かしてからも怪訝そうに何度も振り返るおばさんがいるなど、決して気分の良いものではありませんでした。
しかし、そこは日本人。病気の時のマスクは譲れませんし、マスクをしていると喉も楽です。普通のアパートの一室にある主治医のところへたどり着くと、マスクをした私を見るなり「君は偉い!さすが日本人だ!」と先生は大絶賛。日本人は風邪をひくと、すぐにマスクをするとテレビで観たらしいのです。
先生いわく「フランス人はマスクをしなさすぎる。冬はウィルス性胃腸炎やインフルエンザ、色々な病気が蔓延するのだから少しでも感染を防ぐためにマスクは必要。日本人を見習うべき」とのこと。
ちなみに、フランスの薬局の店内でマスクを見かけることはあまりありませんが、薬剤師に言えば出してくれます。
診察と薬
肝心の診察ですが、フランスでは医療の分業が細かく分かれているため、町医者の個人診察室では、血液検査、粘膜検査等の検査は一切しません。設備がないのです。
ゆえに、日本でするようなインフルエンザの判定検査も、検査キットがないのでせず、ただ血圧を測り、喉の中を覗いて、心音や肺の音を聞いておしまいです。あとは私の症状と総合的にまとめて、先生が「インフルエンザ」との診断をしました。
もちろん先生にお願いすれば、先生が検査のための処方箋を一筆書いてくれるので、それをもって好きな検査ラボにいけば、はっきりとインフルエンザかそうではないかの検査はできますが、多分そこまで陰性か陽性かを気にするフランス人はいないことでしょう。
特にインフルエンザではなく普通の風邪だとしても、医者の証明書で会社を病欠したい人は申請できますし、インフルエンザでも仕事が休めない人はそのまま仕事に行ってしまうのがフランスの現実です。感覚的に風邪と扱いはあまり変わらないようです。
医者から薬の処方箋を貰い、薬局で処方箋を提示して出てきたのは、解熱剤と咳止めシロップのみで、とにかくしっかり睡眠をとるようにと指示がでました。
ちょうど同じ日に、私の友達もインフルエンザ疑惑で他の町医者にかかっていたのですが、最終的にインフルエンザと診断されたものの、処方されたのは解熱剤と咳止めシロップのみだったようです。
インフルエンザ予防接種
フランスにも、日本と同じようにインフルエンザの任意予防接種はあります。そういえば、去年の冬は娘あてに、インフルエンザの防接種の案内がきていました。
フランスの社会健康保険のサイトを見ると、6ヵ月以下の乳児および65歳以上の高齢者、妊婦は特に接種が勧められており、予防接種は無料とのこと。医療従事者も無料で接種できるようです。
私はどの条件にも該当しないので有料にはなりますので、受けるかどうかは分かりません。でも、インフルエンザが流行しているということは、ウイルスの型が違っているか、効果がないか、どちらかですので、接種しなくても同じかもしれません。
皆さんも、インフルエンザにはくれぐれもお気を付けください。
LEAVE A REPLY