この記事は「子宮頸がんの化学放射線療法のため2ヶ月の入院治療開始」の続きです。
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一番不安だったのは抗がん剤治療
金曜日に入院し、初めての放射線治療を終えた後、土日は何の治療もなく”患者もお休み”でした。そして休日明け、最初の治療は私が一番不安に思っていた抗がん剤治療です。
抗がん剤治療といえば「嘔吐して髪が抜け、ガリガリに痩せてしまう」そんなイメージを持っていました。入院前に読んでいた闘病ブログでも抗がん剤治療の副作用については、皆さん結構辛い思いをされたと書いていたので……。
この日は朝のバイタルチェック時に採血があり、抗がん剤治療を受けられるかどうかを判断しました。リニアック照射を終えて部屋に戻ると、看護師さんが大きなパックが掛かった、自動モニター付きの点滴ホルダーを持ってやってきました。私は抗がん剤治療血液検査に合格したようです。
点滴のためのルートを取り、二重にパッキングされた点滴ようのパックを取り出します。名前の確認とリストバンドのバーコードとそのパックについているバーコードを読み取り、それから最初のパッキングを開けて中から抗がん剤のパックを取り出していました。
その一連の動作を見て、改めて抗がん剤が劇薬なのだとい事を思い知らされます。看護師さんがタキソールと書かれたそのパックをホルダーに吊るし、そのチューブを腕のチューブと繋いでモニターに数字を入力します。
「気分が悪くなったり、どこか痒くなったりしたらすぐにナースコールしてくださいね」とナースコールのボタンを渡されました。
初めての抗がん剤は意外に……
看護婦さんが去ってから数分もすると顔が火照ってきました。私が使った「パクリたキセル(タキソール)」はアルコールが入っていて、人によっては二日酔いのような症状が起きると事前に説明を受けていたので「薬が体内に入ってきているんだな」とぼんやり思いながら宙を眺めていました。
元々お酒にかなり強く、飲酒習慣があった私は「ほろ酔い気分」が心地よく、そのうち眠気を催して半分夢の世界へと落ちて行きます。
どのくらい時間がたったのかは分かりませんでしたが、看護師さんの声で現実に戻ったとき「やっぱりがんになったのは夢じゃなかったのか」ととてもがっかりしたのをよく覚えています。
初めての抗がん剤「パクリタキセル(タキソール)」は心地よい”ほろ酔い気分”で終わったので、「副作用が起きない体質かもしれない」と俄かに期待を持ちました。
次に生理食塩水の「流し」点滴があり、この間にすっかり”ほろ酔い気分”は覚めてしまい、点滴をしながらの不自由な状態でどう時間を潰すか、その事が課題に。何をしていても点滴の違和感が気になり集中できないのです。
「こんなことならプラス5000円で窓側のベッドにしておいて、テレビ見放題にしておけばよかった」と、とても後悔しました。通路側のベッドは差額がありませんが、テレビはカードを購入しなければ見れなかったのです。
抗がん剤より長い生理食塩水の点滴が終わると、今度は2つ目の抗がん剤「シスプラチン」の点滴がありました。「シスプラチン」といえばプラチナ系抗がん剤で、かなり昔から使われている”最強”の抗がん剤。
そして副作用も”最強”だと、ネットでの情報収集などから得た知識がありましたので、最初の「パクリタキセル」よりも緊張しました。特にプラチナ系という事で、金属アレルギーがある私はとても不安でした。「アレルギーが出て”最強”の抗がん剤が使えなくなる事」に大きな不安があったのです。
しかし、幸いにもアレルギーは出ずに「シスプラチン」の点滴を終えることができました。残念ながら”ほろ酔い気分”もなく、ただただ緊張しながら滴り落ちる点滴を眺めていました……。
「シスプラチン」が終わった後も生理食塩水の「流し」があり、すべての点滴が終わった時には夜中になっていました。「シスプラチン」はとても腎臓に負担がかかる薬なので、毎回2リットルの水分補給と、トイレに行くたび尿量を測定して記録しなければなりません。
日ごろから糖尿病を疑われるほどに水分を摂っていたので、2リットルの水分補給は問題なかったのですが、点滴をしながらの尿量測定がとても面倒でした。
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