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子宮頸がん治療2年目の体調や生活、後遺症の有無

 

この記事は「癌の長期入院で出費が多くなったのは入院費よりも雑費」の続きです。

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がん治療後の2年間は特に注意が必要

 子宮頸がんの治療を終えると、今度は「再発・転移」の恐怖との闘いが始まりました。再発患者の多くが2年以内に再発しており、子宮頸がんでは局所再発(腫瘍が同じ部位に再発する事)が圧倒的に多いと言われています。そして、2年をすぎると再発リスクはぐんとさがります。

 治療を終えて最初の1年間は、何よりもこの「恐怖」との闘いが辛い時期でした。私が治療した病院には「腫瘍精神科」という科があり、がん治療の知識をもった精神科医が居ます。最初は敷居が高く感じていました。

 しかし、最近では「がんと診断されたた時点から受ける緩和ケア」の動きが広がっているらしく、診断後からソーシャルワーカーさんとの面談や腫瘍精神科を受診する人が増えたと看護師さんに教えてもらいました。

 この時期によく出た不調は、主に精神的なものからくるとされる胃痛や腹痛でした。これらは腫瘍精神科で出してもらった安定剤を飲むと消えました。

 腹痛に襲われるたび頭には「再発・転移」の文字が浮かんで冷や汗をかき、寝れない夜も沢山ありました。その時は睡眠剤を追加してもらい、眠れるようになるといつのまにか大きな不安に襲われる時間は短くなっていました。

治療後1年を過ぎて出て来た症状

 骨盤・腹腔内の放射線治療後に起こりうる晩期障害として説明を受けたのは
・膀胱炎や放射線性腸炎
・骨盤を骨折しやすくなる
稀に起こり得る副作用
・腸や膀胱に穴が開く
・二次がん
というものでした。

 幸い放射線性腸炎や血尿が出るほどの膀胱炎にはなっていませんでしたが、なんとなく膀胱が痛いという事も多く、頻尿気味になりました。

 腸の方も大腸カメラで見る限りでは綺麗な状態でしたが、右側と左側で違う動きをしているらしく、腹痛や過敏性腸症候群のような症状が常にあります。これは時間が経つにつれて症状が強くなりました。とはいっても日常生活には支障はないレベルですが。

 また、私の場合は卵巣にも放射線を当てたことで卵巣が完全に機能を失っているので更年期障害があります。ホットフラッシュや、気分の浮き沈みが激しくイライラする事が多くなりましたが、これは更年期障害用の漢方を飲み始めた事、運動をし始めた事でかなり解消されました。

放射線治療を選んで良かったと思う事

 手術を受けると高確率で出ると言われているリンパ浮腫が全くない事や、腹部の皮膚に少し色素沈着があるくらいで、水着になってもまったくがん治療したとは分からない事が幸いでした。

 腫瘍があった位置にもよると思いますが、排尿障害などもなく、今のところ子宮頸がん治療後に頻出する後遺症、「切迫尿意」という「尿を我慢できない」症状もありません。治療後すぐに10時間以上飛行機に乗って海外旅行にも行きましたが、リンパ浮腫が出る事はなく旅行を楽しめました。

がん治療から2年たった現在の生活

 身体はほぼがん治療前と変わらず動かせますが、やはり血液検査をすると白血球は低いままなので、感染症に昔よりも注意するようになりました。

 唯一変わった事と言えば「仕事で頑張るのをやめた」という事です。がんとストレスは密接な関係があると言われているので、なるべくストレスを生活から排除するようにしました。

 普段はがんであった事なんて半分忘れていますが、時折、ふと大きな不安に呑み込まれそうになる事はあります。しかし、安定剤や睡眠薬は飲んでおらず、そういう時は体を動かしているといつのまにか不安はどこかへ行ってしまうようになりました。この先、特に精神的なものは時が解決してくれると思っています。

 最初の1年は「半年後の予定」を入れる事が怖くて出来ませんでした。自分がどうなっているか分からず、自分の生命力に自信がなかったからです。しかし、今は翌年の旅行を予約し、友人や家族とも「未来」の話をできるようになりました。

 そして、こうして自分の体験を話せるようになったのも「がん」を乗り越えつつあるからだと思っています。

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