この記事は「乳がん体験南さん編⑨抗がん剤投与で面白いように髪が抜ける」の続きです。
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長男に「髪の毛を自分でむしるな。自然に任せておけ」と怒られてから、無理に髪の毛を触るのをやめました。普段見慣れている私の姿が変わっていく様子に子供ながらに辛かったんでしょうね。私は楽しんでいたつもりでしたが、周りの人から見たら痛々しいですよね・・。
そう、がん治療は私だけが辛いんじゃない。家族も辛く、いろいろな思いと戦っているんだ・・。そう思いました。
髪の毛はTC療法(抗がん剤治療)1回目でほとんど抜けました。ありとあらゆるところに髪の毛が落ち、パジャマにもついてしまっていたので、コロコロテープは大活躍でした。
そして3週間後には2回目の投与を行いました。この日も、採血から始まります。この段階で白血球が戻っていないと抗がん剤を使用することはできません。
あがっていますように・・。
検査結果はすぐに分かります。
「大丈夫。白血球が6000あるから受けましょう。」
許可がでました。
2回目ということもあって気持ちにゆとりが出たのか、今度は、お菓子や雑誌を持っていきました。でも実際は、ぼーっと点滴を見たり、テレビを見たり。1回目よりも薬が入っていく感じがわかり、体が重くなってきたのです。
だるい、何もやる気になれない。
また、吐き気とかくるのかな・・。
抗がん剤を投与した後、診察になり、
先生から、
「2年後にCTなど詳しい検査をしましょう。」と言われました。
「私、増殖能力が高い癌ですけど、2年後で良いのですか?」とお聞きすると、
「1年ごとにやらなくても、生存率には変わりがないんですよ。全部摘出しているし、リンパにも転移していないから、そうすぐには再発、転移はしないでしょう。」と教えていただきました。
病気になると、検査をしっかりやりたいと感じますよね。でも、癌の場合、検査をしてがん細胞を見つけても生存率は変わらないのだそうです。むしろ知らない方が生き生きとできる場合もあるようです。
奥が深いなあ・・と感じましたが、でも心の中では、そう先生はお話ししてくれたけど、納得できないな・・と思っていたのも事実です。転移をしているなら早く知りたい、早く治療をしたい、そう思ってしまいます。モヤモヤした気持ちが残りました。
ですが、そんなモヤモヤよりも、抗がん剤治療後の体の異変をどうするかの方が気になりました。明らかに1回目よりもいろいろな異変が出てきています。頭がかゆい、喉が詰まっている感じがする、口の中が苦い、両手がしもやけのように痛い・・。寝ているしかない状態になってしまったのです。
でも、私は主婦、ある程度の家事はこなさなくてはなりません。ゆっくりゆっくり時間をかけながらでないと、動けないのです。料理はほとんどレシピ通り。味見をしたって分かりませんから・・。
さらなる体の異変は2回目の投与から11日目にきました。その日は関節痛が特にひどくて、胃もきりきりと痛みました。胃薬を飲んでも効きません。
何か、おかしい。
そう思って熱を測ると38.3度。
まずい!
抗がん剤を投与する前に、熱が37.5度を超えたら病院に連絡をするように、と言われていたのです。
風邪が原因?
でも家族だれも、風邪をひいていない・・。
深く考えることもできずに、横になるしかありませんでした。幸いなことに主人がたまたま仕事がお休みで、家にいたのです。
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