この記事は「乳がん体験南さん編⑩抗がん剤投与11日後に体に異変が」の続きです。
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主人が病院に連絡をするとすぐに来るように指示されました。まさか入院するとは思っていないので、何も用意せず、何も持たずに病院へ行きました。
血液検査をしたところ、白血球が550、好中球が90。
「すぐに入院してください。好中球が1000個いないといけないんです。」
1000個いなくてはいけないものが90しかいない。え?と感じました。
好中球は全白血球の50%以上を占めていて、1マイクロリットルの血液中に1000個いないと様々なものに感染してしまうのです。500未満でさらに感染の危険性が増し、体内に何かが侵入した時、制御がきかなくなってしまうのです。
私ははるかに低い値でした。
「ホントにごめん・・。」
主人にそう伝えるのが精一杯。熱はどんどんあがり、病院にいる間に40度を超えてしまったからです。もちろん、病室は個室で、本当に用がある人だけ出入りができます。子供たちも出入り禁止。
看護師さんもマスクを着用し、私もマスクの着用を促されました。家族の誰も風邪をひいていないのに、何かに感染した・・。あれほど手洗いをし、マスクもつけていたのに。
治療では、抗生物質や坐薬を使用しました。抗がん剤の副作用の影響だということは、分かっていましたが、こんなことが起きてしまうなんて。抗がん剤を軽く考えていたのかもしれません。とにかく入院初日は食欲なんてありません。様々な書類にサインするのも辛かったです。
また、入院しちゃったな・・。子供たち驚くだろうな・・。そんなことばかり横になりながら考えていました。
結局、入院して次の日の夜には熱が下がり始め、4日目に退院することができ、心配していた抗がん剤の3回目投与も予定どおり8日後にできると説明を受けました。
あと2週間ほどでお正月だったことから、退院時に先生に、「もうすぐお正月ですけれど、3回目の投与の後、数の子って食べていいんですか?」と聞いてみました。数日前まで、抗がん剤を甘く見ていた、なんて反省していたのに(笑)
先生は笑って、「そうだね。何とか12月31日までなら大丈夫。それ過ぎたらダメだよ」と答えてくださいました。抗がん剤を投与し、白血球が最も少なくなる11日目ごろから数日間は、お刺身など生ものは感染の危険性があるので食べません。私の場合は用心をしていたので、抗がん剤を投与するようになってから生ものは一切口にしていませんでした。
しかし、私は数の子が大好きなので、「数の子だけは何も影響がないので大丈夫」という言葉を期待をし、つい聞いてしまいました(笑)どうやら数の子も生ものなので、いけないようです。深く考えれば、当然ですよね。緊張感がないなぁ・・と自分自身笑ってしまいました。
でも、もうすぐお正月。
みんなでわいわいできる日。
クリスマスだって近い。
抗がん剤を投与していたって、できるだけ普通の日常生活を送りたいよ・・。
そんな思いもありました。
抗がん剤は確かに体にとって害のある薬です。私にとって抗がん剤治療を受けることが正解かどうかはこの時点では分かりません。体力が無くなれば抗がん剤にやられるだろうし、もしかしたらガン細胞が無くなるかも知れない。
しかし、まだ、子供たちも小さいですし、生きたいと思う気持ちは誰よりも強いです。それが私を抗がん剤治療を決心させる動機になっています。
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