この記事は「[乳がん体験記 原さん編⑨]手術後の放射線治療が始まる」の続きです。
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実際の放射線治療は上半身裸になりベッドに横になってじっとしているだけなので、特に大変なことはありません。放射線が照射されている間は絶対動いてはいけないので、眠らないようにするのがつらかったくらいです(寝ていると無意識に動いてしまうので)。
つらかったことと言えば、6週間毎日会計時に5,000円近く支払わなければいけなかったことです。自己負担分でも25回X5000円でざっくり125,000円です(それに検査費用等は別途かかりましたので、実際もっと支払っています)。手術や入院費は念頭にあっても、これは予想外の出費でしたので経済的にはきつい時期でした。中には高額のため経済的な理由で放射線治療などをあきらめる人がいるのではないかとさえ思いました。
治療前に高額医療費制度も含めて費用の説明がありました。高額医療制度は自己負担額が「ひと月」に一定額以上になると払い戻されますが私は治療が月をまたいだので、この制度は使えませんでした。高額医療制度を私(私の年収で)が使った場合、8万100円を超えた部分は後で返金される予定でしたが、それが出来ないと後で知りショックでした。
そして、放射線治療の副作用についてですが、医師からは以下のような症状が出る場合があると言われました。
〇皮膚の発赤、黒ずみ、つっぱり感
これは日焼けと同じで治療後数か月でもとに戻ると聞いていたので、特に心配はありませんでした。
〇左肺表面の部分的な炎症(一過性,無症状)
〇倦怠感
私の場合は幸いにも、皮膚の黒ずみ以外は副作用の症状はありませんでした。その頃は会社に顔を出して、病院に歩いていき、放射線治療後にまた仕事に戻るという忙しい生活を送っていましたので倦怠感を感じる暇もなかったのかもしれません。
ただ少し気になったことは、私の場合ですが術後の血液検査で白血球の減少がありました。放射線を当てる角度で脊髄を少しかすったからだそうです。数値はそのうち戻るとのことでしたので心配していませんでしたが、実際少しずつ戻りました。
長いようであっという間に放射線治療が終わり、今度はホルモン治療に入ります。私の癌のタイプが、女性ホルモンを餌に増殖するタイプなので、注射と内服の2本立てで癌の餌を断つ治療(抗女性ホルモン服用)をすることが再発予防になります。私が受けた治療は以下の通りです。
*リュープリン皮下注射を2年間
毎月注射と3ケ月毎注射の2タイプあります。
経過を見たいとの主治医の意向で私の場合1年目は毎月、打ちに通いました。
*経口薬ノルバディック 1日1錠を5年間服用
あまりに長い期間の服用に驚きました。
癌はそれほど長期間再発を警戒しなければいけないのかと気が沈みました。
薬局に行くたびにジェネリックを進められました。
風邪程度の薬なら検討しましたが、命に関わることなので価格は高めでも先発薬で通しました。
ホルモン治療は女性ホルモンを抑えるため、更年期障害と同様の症状が副作用に挙げられます。のぼせ、発汗、気分の落ち込み、骨密度低下などです。幸い私は拍子抜けするほど副作用は感じられませんでした。
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