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超加工食品を食べると癌になりやすいのか。エビデンスを示します

超加工食品(Ultra-Processed Foods、UPFs)が健康に与える影響については、近年多くの研究が行われており、その中でがんとの関連についても注目されています。以下に、超加工食品とがんのリスクに関するエビデンスを整理して説明します。

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1. 超加工食品とは何か?

超加工食品は、工業的に加工され、自然食品に含まれる成分が大幅に変化した食品を指します。これらは通常、保存料、人工甘味料、色素、香料など、化学的に合成された成分を多く含み、家庭で調理することが少なく、パッケージ化された状態で販売されます。例えば、インスタントラーメン、冷凍ピザ、スナック菓子、加工肉(ソーセージ、ベーコンなど)、缶詰食品などが挙げられます。

これらの食品は、栄養素のバランスが崩れがちで、食物繊維やビタミン、ミネラルが欠乏していることが多いです。その一方で、脂質、砂糖、塩分が過剰であるため、健康リスクが高まるとされています。

2. 超加工食品とがんの関連性

近年の研究では、超加工食品の摂取ががんリスクの増加に関連していることが示唆されています。以下に、そのエビデンスのいくつかを紹介します。

2.1. 国際的な疫学研究

国際的な観察研究によると、超加工食品の摂取が多い人々は、がんを含む様々な病気のリスクが高いとされています。例えば、2018年に発表されたフランスの大規模な研究(NutriNet-Santé Study)では、超加工食品を多く摂取する人々において、全体的ながんのリスクが15%増加することが示されました。この研究は、約10万人以上の参加者を追跡した結果、超加工食品ががんの発症と関連していることを示しました。

また、イギリス、ブラジル、アメリカなどの他の国々でも、同様の研究結果が得られています。これらの研究は、超加工食品が含む化学物質や添加物が発がん性を持つ可能性があることを示唆しています。

2.2. がんの種類別リスク

超加工食品が関係するがんの種類としては、特に次のものが挙げられます:

  • 大腸がん:超加工食品には、高脂肪、低食物繊維、化学添加物が多く含まれ、大腸がんのリスクを増加させるとされています。研究によれば、超加工食品の摂取が大腸がんのリスクを高める可能性があることが分かっています。

  • 乳がん:一部の研究では、超加工食品が乳がんリスクに影響を与える可能性が示唆されています。特に、ホルモンに関連するがんのリスクが増加する可能性があるとされています。

  • 前立腺がん:一部の研究では、赤肉や加工肉が前立腺がんのリスクを高めることが示唆されています。超加工食品はこれらの成分を多く含んでおり、その影響が考えられます。

2.3. 化学物質と添加物

超加工食品には、様々な化学物質や添加物が含まれています。これらの中には、発がん性が疑われる成分が含まれていることがあります。例えば、加工肉に含まれる亜硝酸塩ニトロソアミンは、がんのリスクを高める可能性があるとされています。また、フタル酸エステルや**BHA(ブチルヒドロキシアニソール)**などの防腐剤や香料も、長期的な摂取が健康に悪影響を与える可能性が示唆されています。

これらの化学物質が腸内フローラに悪影響を及ぼし、免疫機能を低下させることでがんリスクを高めるという仮説も提唱されています。

3. 食品の加工度と健康リスク

超加工食品の摂取が健康に与える影響については、食品の加工度が重要な要素です。加工度が高い食品ほど、栄養価が低く、化学添加物が多く含まれています。これに対して、未加工食品(野菜や果物、肉など)は栄養価が高く、健康に良いとされています。

食事の全体的な質が健康に大きな影響を与えることはよく知られており、超加工食品の摂取が多い食生活は、心血管疾患や糖尿病などのリスクを高めるだけでなく、がんリスクも高める可能性があるとされています。

4. なぜ超加工食品ががんリスクを高めるのか?

超加工食品ががんリスクを高める理由としては、以下の要因が考えられます:

  • 高脂肪・高糖質:これらの食品は、肥満の原因となり、肥満ががんリスクを増加させることが知られています。

  • 栄養素の欠如:超加工食品は、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足しているため、免疫力が低下し、がんの予防が難しくなる可能性があります。

  • 化学添加物:超加工食品に含まれる化学物質が発がん性を持つ可能性があり、これが長期的に蓄積することでがんリスクを高めると考えられています。

5. 結論

超加工食品とがんの関連についての研究は増えており、超加工食品を多く摂取することががんリスクを増加させる可能性が高いことが示されています。特に、大腸がんや乳がん、前立腺がんとの関連が強調されており、化学添加物や栄養バランスの欠如がその要因と考えられています。超加工食品の摂取を減らし、未加工食品や栄養豊富な食品を選ぶことが、がん予防において重要であるといえるでしょう。

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