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今井雅之さんを襲った大腸癌。予防する方法はあります

今や、大腸癌による死者数は癌の中で女性1位、男性3位と上位にありますので、早急な対策が急務になっています。

国立がん研究センターがん予防・検診研究センターの津金昌一郎さんによると大腸癌になる原因として、飲酒、喫煙、赤味の肉や加工肉(ハム、ソーセージ)の食べ過ぎ、運動不足(肥満)があります。

では飲酒から見てみましょう。

①国立がん研究センターの20万人の調査から分かったことですが、飲酒量が多くなればなるほど大腸癌のリスクは上がります。

縦軸が「大腸癌リスク」で、横軸が「1日のアルコール摂取量」ですが、右肩上がりで大腸癌のリスクが上昇しています。

以下の図から分かることは「1日のアルコール摂取量92グラム以上が一番大腸癌のリスクが高いこと」と「1日のアルコール摂取量が15グラム増えるごとに大腸癌も10%増えること」です

ビール500ミリリットル1本がアルコール摂取量20グラムほどですので、1日4.5本以上が大腸癌になる可能性が高いということです。

can_prev_outcome_06_2_02_thumb (クリックすると大きくなります)
国立がん研究センターは以下のように締めくくっています。

今回の結果を欧米での研究報告と比べると、日本人は欧米人に比べ飲酒と大腸がんの関連がより強いことが、改めて確認されました。

国立がん研究センターより引用

 

次は飲酒を見てみましょう。

②国際癌研究機関が喫煙によって大腸癌になる可能性があると認めました。

喫煙者はタバコを吸っていない人に比べて27%大腸癌になるリスクがあると言う。

今井雅之さんは大腸癌で亡くなられましたが、タバコを吸っていませんでした。

彼の場合は他の要因で大腸癌になったということです。

約20万人を13年間にわたり追跡。その結果、喫煙経験のない人に比べて、現喫煙者は大腸癌リスクが27%高く、元喫煙者は23%高いことが判明した。中でも喫煙期間が50年以上に及ぶ人は、喫煙経験のない人よりもリスクが38%高かった。一方、40歳前にたばこを止めた人、31年以上喫煙していない人にはリスクの増大は認められなかった。

国立がん研究センターより引用

 

次は「赤味の肉や加工肉の食べ過ぎ」を見てみましょう。

③国立がん研究センターによると女性が1日80グラム以上の赤味の肉を食べると結腸癌のリスクが高まると言う。

男性の場合は赤味の肉と言う限定ではなく、肉類全体の摂取量が100グラムを超えると結腸癌のリスクがあると言う結論です。

肉類全体の摂取量が多いグループ(約100g/日以上の群)で男性の結腸がんリスクが高くなり、赤肉の摂取量が多いグループ(約80g/日以上)で女性の結腸がんのリスクが高くなりました

国立がん研究センターより引用

しかし、世界がん研究基金と米国がん研究協会によると赤味の肉は男女問わず確実に大腸癌のリスクになると言っていますので、赤味の肉は避けた方がよさそうです。

加工肉の場合はどうでしょうか。

国立がん研究センターは「加工肉の場合は男女ともに結腸癌、直腸癌のリスクはありませんが、男性の場合は少し気を付けたほうがいい」と言っています。

男性・女性のいずれにおいても、加工肉摂取による結腸・直腸がんのリスク上昇は見られませんでした(図1)。ただし、加工肉摂取量をもう少し細かく10グループに分けたところ、男性において最も摂取量の多い群で、結腸がんリスクの上昇が見られました(摂取量の少ない下位10%の群と比べ、上位10%の群では発生率が1.37倍)。

国立がん研究センターより引用

個人的にはハムやソーセージは食べない方がいいと思っています。

「不妊治療の時に男性が食べてはいけない食べ物とは」でも書きましたが、ハムやソーセージを食べる習慣のある男性は体外受精の成功率が下がるのです(添加物もたくさん入っているし、体にいいとは思えません)。

 

次は運動不足を見てみましょう。

④世界がん研究基金(WCRF)、米国がん研究協会、国立がん研究センター共に「運動で大腸癌のリスクを減らせる」と結論付けています。

世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)による2007年の報告書では、身体活動によって大腸がんリスクは確実に減少すると結論づけています。

疫学研究の結果と生物学的なメカニズムの両面から、日本人においては、身体活動は大腸がんリスクをほぼ確実に下げるという結論になりました。部位別には、結腸がんリスクをほぼ確実に下げる一方、直腸がんリスクについては証拠が不十分でした。

国立がん研究センターより引用

 

以上大腸癌の原因について説明してきましたが、ここからは大腸癌の予防に役立つ食べものについて説明します。

研究で分かっているものだけを取り上げます。

①米ダナ・ファーバー癌研究所がクランベリーに含まれる安息香酸が大腸癌を予防する効果があると発表しています。

②米ロマ・リンダ大学が「魚と野菜を好んで食べる半菜食主義者」のほうが「完全な菜食主義者」より大腸癌のリスクが低いと発表しています。

もちろん、「完全な菜食主義者」は「肉をたくさん食べる非菜食主義者」より大腸癌のリスクが16%低いですが、もっとリスクが低いのが「魚と野菜を好んで食べる半菜食主義」です。

「魚と野菜を好んで食べる半菜食主義」は「肉をたくさん食べる非菜食主義者」より43%も大腸がんになるリスクが低い。

③ラトガーズ大学癌研究所がブルーベリーに含まれるプテロスチルベンという成分が大腸癌を予防することをラットの実験で確認しました。

ニンニクに含まれているS-アリルシステインという成分が大腸癌を予防します。

アメリカ国立がん研究所が「週1回以上食べる人はそうではない人と比べて32%大腸癌のリスクが減る」と言っています。

[補足]

糖尿病の方は大腸癌のリスクが高くなります。

ユトレヒト大学によると2型糖尿病を抱えている人はそうでない人に比べて1.3倍大腸癌のリスクが高くなると発表しています。

エラスムス大学医療センターでも同じ結論を導いています。

2型糖尿病の人は大腸癌や乳癌の発症や死亡に関するリスクが上昇すると言っています。

アムステルダムで開かれた欧州癌会議European Cancer Congress(ECC2013)の公式プレゼンテーションで発表された報告で、計約200万人を対象とした20件の研究データを解析した結果、2型糖尿病患者においては乳癌発症リスクが23%、乳癌による死亡リスクが38%高まっていることがわかった。大腸癌についても、発症リスクが26%、同腫瘍による死亡リスクが30%上昇していた。

HealthDayより引用

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