糖尿病を治すためには「糖尿病とは何か」を知らなくてはいけません。「糖尿病はどのような病気なのかを詳しく解説」で以下のように書きましたが、つまり血中の糖が細胞に取り込まれず余ってしまう病気です。血中に糖が多くなるとまず血管が弱くなります。そうすると糖尿病の3大合併症である網膜症、腎症、神経障害になりやすくなります。そうすると最終的には失明や壊疽、人工透析などの悲惨な結果になります。
糖尿病とは、インスリンの作用不足や量的不足によって血中の糖質が正常に代謝されず高血糖状態が続き、過剰量が尿中に排出されてしまう疾患のことをいいます。
糖尿病の治療には血糖降下剤を処方されたり、食事療法が指導されますが、それでも3大合併症は減る気配がありません。ということは治療の効果が出ていないということになりますが、一番の要因は「食事の指導」にあると私は思っています。
というのも糖尿病の治療食として病院で指導しているのは「カロリー制限食」であり、この食事の糖質の割合は6割とかなり多いからです。こんなにも多くの糖質を摂っていては今までの食事と変わりなく、血糖値は上がります。血糖値が上がるということはインスリンを分泌させる膵臓が疲れてしまいます。そうすると「インスリンの量的不足」を招きかねません。その結果、血糖値が下がりにくいということになります。
ではアメリカでは糖尿病の人たちにどのような食事を指導しているのか。アメリカの糖尿病学会が指導している食事はカロリー制限食もありますが、それだけではなく、糖質制限食も候補の一つです。
実は日本にもこの糖質制限食で糖尿病を治療している病院があります。それが江部康二先生が理事長を務める高雄病院です。江部先生は糖質制限食を広めた第一人者で、テレビのも出演して、この食事法を広めています。
糖質制限とはどんな食事法なのか
糖質制限食は文字通り「糖質を減らす食事法」です。具体的には糖質の多いお米、麺類などの炭水化物は食べないか、量を限りなく減らしてください。お米を普通茶碗1杯食べている人は半分にしてください。一番分かりやすいのは子供茶碗に変えて、それを1杯食べてください。
そして、できればお米などを3食食べるのではなく、1食か2食に減らしてください。その代わり、肉や魚、卵、野菜、ワカメ、豆腐や納豆をその分、多く食べます。特別難しい食事法ではなく、ただこれだけです。ポイントは野菜などの食物繊維を多く摂ることです。糖質制限食は肉などの動物性たんぱく質を多く摂るため便秘になりがちですので、野菜、ワカメなどの食物繊維でお通じを良くしてください。
糖質の多い食品と少ない食品を覚えて、それを3食食べるだけですので、糖質制限食はカロリー制限食よりは楽な食事法です。カロリー制限食はカロリーを計算しなくてはいけませんので、挫折する人が多くいると聞きます。
[参考記事]
「糖尿病はどのような病気なのかを詳しく解説」
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