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糖尿病はどのような病気なのかを詳しく解説。

 

日本人の食生活の欧米化に伴い、身近な疾患になってきた糖尿病。実はとても恐ろしい病気だということを知っていますか?

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糖尿病はどのような病気か。

糖尿病とは、インスリンの作用不足や量的不足によって血中の糖質が正常に代謝されず高血糖状態が続き過剰量が尿中に排出されてしまう疾患のことをいいます。一般に空腹時の血糖値が126mg/dL以上であると糖尿病が疑われます。

日本の糖尿病患者の人口は2014年時点で316万人超。これは日本の人口全体の男性で約16%、女性では約10%にのぼり、毎年1万4000人近くの患者が糖尿病により命を落としています。

血糖とインスリンの関係とは

本来糖質とは人体にとって最も重要なエネルギー源であり、正常な状態では体外に排出されることはありません。その糖質の代謝に重要な役割を果たしているのが、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンです。

インスリンは体の様々な細胞に作用し糖質の吸収を促進するため、血糖値を下げる働きがあります。しかし血中の糖質(以下血糖)の量が限度以上に増えるとインスリンによる糖代謝が間に合わなくなり、そのまま尿に排出されることになります。

糖尿病の原因と分類

●1型糖尿病
膵臓にあるインスリンを作る細胞が破壊されて減少し、十分な量のインスリンが産生されず絶対量が不足することによるために起きる高血糖状態を、1型糖尿病として分類します。

インスリン産生細胞の破壊が起きる原因は先天性の自己免疫疾患によるものが多いです。よく海外の映画やドラマなどで糖尿病の子供が登場することがありますが、彼らはこの1型糖尿病の患者です。

●2型糖尿病
インスリンの分泌量が低下し、またインスリンに対する細胞の反応性が低下することによって高血糖状態が続く状態は、2型糖尿病に分類されます。

遺伝的な要因によることもありますが日本人で2型糖尿病になる多くの患者の原因は糖質の摂り過ぎによる肥満であり、中高年に多くみられる疾患です。メタボリックシンドロームの診断を受けている中高年の多くが併発している疾患でもあります。

●そのほかの糖尿病
膵臓疾患や腎臓疾患、内分泌異常など他の疾患に伴っておこるものやステロイド薬の投与によって二次的におきる糖尿病もあります。妊娠中のホルモン異常によって起きる糖尿病は一般に妊娠糖尿病と呼ばれています。

糖尿病によって引き起こされる症状

高血糖状態が長時間続くと、全身の血管が血中の過剰な糖に対応できず細くなったり固くなったりします。これを糖尿病性血管症といいます。細胞内に糖が付着し血管内径が小さくなることに加え、細胞外のタンパク質に糖が結合したりすることにより、特に末端の小さな血管から障害が始まります。

正常な血管は本来収縮や拡張を繰り返し柔軟に血流をコントロールできる細胞でできています。しかし高血糖状態から血管の硬化が進むとなんらかの刺激によって血管に亀裂が入りやすい状態になり、体内での出血や血栓の形成につながることがあります。

例えるなら、正常な血管はゆでたマカロニをイメージしていただけると良いと思います。柔らかいマカロニは少し曲げても折れたり裂けたりしませんよね?対してゆでる前の固いマカロニは少しの衝撃で欠けたり割れたりしてしまいます。これと同じことが体内で起こっているのです。

また、血管の障害が進行すると様々な合併症が引き起こされます。糖尿病の三大合併症といわれているのが、網膜症、腎症、神経障害の3つです。

●網膜症
網膜とは眼球の一番内側にある膜状の細胞です。ここには視覚に関係する多くの細胞が分布しており、細い血管が非常にたくさん張り巡らされています。糖尿病の進行によってここが詰まったり出血したりする疾患が網膜症です。この状態を治療せずに放置すると、失明につながることがあります。

●腎症
腎臓は体の中にある毒素や不要物を尿として生成、排出するための非常に重要な臓器です。腎臓の中では血中から糸球体という細胞にむかってろ過が行われており、その過程で細胞は不要物を排出し必要な成分は再吸収しています。

しかし糸球体の血管に障害がおきると体内の毒素がうまく排出されず腎不全という状態に陥ります。これを悪化させると透析治療が必要になる場合があります。

●神経障害
全身の血管障害が神経に影響をおよぼしている状態で、主に末梢の神経にしびれやずきずきする痛み、熱さや冷たさににぶくなるなどの知覚障害が発生します。

三大合併症の中では比較的早期の段階で出現する合併症であり、好発部位としては足の裏や指が挙げられます。痛むことで歩くのが苦痛になり、感覚が鈍っているためケガに気付きにくくなることなどから、悪化させると細胞の壊死を引き起こし切断治療が必要とすることがあります。

糖尿病の治療方法

糖尿病の治療は

① 血糖コントロール
② 血圧と脂質の管理
③ 合併症の発症や悪化の予防

を目標に進められます。
2型糖尿病では食事療法と運動療法を併用し、肥満である場合はその改善に努めます。
1型糖尿病は診断初期よりインスリンの注射による血糖コントロールを必要とすることが多いです。

糖尿病は一度発症すると完全に治癒することはなく、一生付き合っていかなければならない恐ろしい病気です。普段から生活習慣に気をつけて予防に努めることが重要です。

[参考記事]
「糖尿病になってしまい、病院で糖質制限を勧められました」

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