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アンジェリーナ・ジョリーが持つBRCA1遺伝子変異とは

ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんは将来、乳癌や卵巣癌になる可能性が高いとして2013年に乳房を、2015年に卵巣を摘出しましたが、なぜ摘出することを選んだのか。

それは「BRCA1遺伝子の変異」を持っているからです。

BRCA1遺伝子は誰もが持っている「癌抑制遺伝子」ですが、この機能に問題があると乳癌、卵巣癌のリスクが高くなります。

アメリカ国立がん研究所によるとBRCA1遺伝子の変異による乳癌は全体の5%から10%、卵巣癌は15%です(日本人の場合も同じような確率だと言われています)。

ジョリーさんの場合、母の家系がこのBRCA1遺伝子変異を持っていて、母親は50代半ばに乳癌で、祖母は40代に卵巣癌で亡くなっています。

このBRCA1遺伝子の変異を持っているとどれくらいの確率で乳癌や卵巣癌になるのか。

米国立がん研究所によると乳癌の場合は55%から65%、卵巣癌の場合は39%です。

ちなみにジョリーさんの場合、乳癌になる確率が87%、卵巣癌になる確率が50%と言われたそうです。

BRCA1遺伝子に変異があると比較的若い年齢から乳癌や卵巣癌になる確率が高く、しかも、悪性度が高いと言われています。

乳癌にかかる年齢は50才前後が多いですが、BRCA1遺伝子に変異があると30才代から40才代前半までになりやすくなります。

30才台と言えばまだ子供を産んだり、育てる年代ですので、この時期に乳房を摘出するのは大変勇気がいります。

ジョリーさんのように30代後半で、しかも旦那さんも子供もいる女性であれば決断は早いでしょうが、これから恋愛もして子供も産みたい女性であれば思い悩むことでしょう。

[補足]

BRCA1遺伝子の変異による乳癌や卵巣癌になる確率は様々な機関が発表していますが、数値に幅があります。

BRCA1あるいはBRCA2遺伝子変異をもつ女性における生涯の乳癌発症率は約49~57%と高率である

「日本乳癌学会」より引用

 

生涯リスクの推定によると、母集団の女性の約12%(1,000人中120人)が生涯のある時期に乳癌を発症するのに対し、BRCA1またはBRCA2の有害な変異を受け継いだ女性では約60%(1,000人中600人)です。

言い換えると、BRCA1またはBRCA2の有害な変異を受け継いだ女性は、それらの変異を持たない女性より乳癌発症率が約5倍高くなります。

母集団の女性の卵巣癌の生涯リスク険推定では、1.4%(1,000人中14人)が卵巣癌と診断されるのに対し、有害なBRCA1またはBRCA2変異を持つ女性では15~40%(1,000人中150~400人)であると示しています(4,5)。

『一般社団法人 日本癌医療翻訳アソシエイツ(JAMT)』より引用

 

BRCA1遺伝子やBRCA2遺伝子に変異がある場合にこうしたがんを発症する生涯リスクは以下のとおりである.

乳がんは40~80%
卵巣がんは11~40%

「GRJ」より引用

 

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