フィンランドのツルク大学医学部が「赤ちゃんの性器や口から高病原性ヒトパピローマウイルスが検出された」と論文で発表しました。
76の家族を2年間に渡って調べたところ、
〇母親、父親、乳児の3者ともHPV陽性だった率が29%
〇母親と乳児がHPV陽性だった率が26%
〇父親と乳児がHPV陽性だった率が11%
〇父親と母親が陰性にも関わらず、乳児だけが陽性だったケースが8%(調査対象の76家族の内で6家族)
という結論が出ています。
乳児だけがHPVに感染している例がありますが、どういう経路で感染しているのかは分かっていません。
乳児の年齢別のHPV感染率は以下の通りです(以下の表を参考)。
〇分娩直後の乳児の15%の性器からHPVが検出されている(76の家族の中の15%)。
分娩直後の乳児の10%の口からHPVが検出されている(76の家族の中の10%)。
〇生後6か月の乳児の18%の性器からHPVが検出されている(76の家族の中の18%)。
生後6か月の乳児の21%の口からHPVが検出されている(76の家族の中の21%)。
2歳までの年齢で考えれば生後6か月が一番HPVが多い時期です。
ヒトパピローマウイルスは性交渉以外では感染しないと言うのが定説ですが、実際は違うことがお分かり頂けましたでしょうか。
Q: HPV感染は性行為以外でも感染するのでしょうか。
A: 基本的な性交渉以外では感染しません。
順天堂医学部付属順天堂病院 癌治療センターのホームページより引用
ガーダシルの添付文書には接種時点でヒトパピローマウイルスに感染している場合、効果は期待できないと書いてあります。
<効能・効果に関連する接種上の注意>
(1)HPV 6 、11、16及び18型以外のHPV感染に起因する子宮頸癌又はその前駆病変等の予防効果は確認されていない。
(2)接種時に感染が成立しているHPVの排除及び既に生じているHPV関連の病変の進行予防効果は期待できない。
(3)本剤の接種は定期的な子宮頸癌検診の代わりとなるもので はない。
本剤接種に加え、子宮頸癌検診の受診やHPVへの 曝露、性感染症に対し注意することが重要である。
ガーダシルの添付文書より引用
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