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コンドーム(ラテックス)アレルギーにより救急搬送された体験談

 

 年末年始、私は見事?風邪にやられていました。汚れたパジャマやリネン類が自分で気づかないうちに溜まっていくのを、黙ってスルーするしかありません。例え洗濯機さんが洗うところまでは頑張ってくれたとしても、干して畳んでくれるまではさすがにやってくれそうにはありません(笑)

 今回は風邪薬アレルギーなどのアレルギーに関する実体験を書いていきます。

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年末になると思い出すコンドームアレルギー

 激しい(風邪薬)アレルギーを持つ私は解熱剤も使えないという体質なのにも拘らず、年末から年始の浮かれた空気の中、不本意にも寝込んでしまった自身に凹みつつ「黒歴史」を思い出していました。

 かつて二十歳の自分がちょうどクリスマスシーズンに意中の男性と「お泊り」をキメ込むはずだった歌舞伎町のホテルでまさかのラテックスアレルギーによって重篤なショックを起こし、ある大学病院へ救急搬送されたことがあります。

 避妊目的のコンドームによってまさかのアレルギー。喘息のような発作を起こして呼吸困難に陥り、救急車で病院へと搬送され、そのまま入院を要する状態に至る…などとは全く考えてもいませんでした。恥ずかしい状況も相まって、若かった当時の私には本当に衝撃の出来事でした。

 入院直後にはそれが、ホテル備え付けのコンドームが原因によるアレルギーだとは判明しませんでした。原因がわからない以上、病院で受けた処置も適切ではなかったらしく、全身状態はさらに悪化して私の病状はますます重症化する一方でした。

 当時はアレルギー疾患の治療の殆んどは健康保険適応ではありませんでした。結局、退院に至るまでにはかなりの時間と費用とを要しました。バブル経済華やかなりし時代の話であり、ちょうどボーナスをもらった直後だったので、どうにか病院代は支払えましたが。もしも、現在のように無職に近い時期に、こんなアクシデントが生じていたら…?想像しただけでも私は恐怖に陥ってしまいます。

 私のアレルギーはラテックスだけではありません。自身が風邪薬のアレルギーであることについては以前から知っていました。小学校4年生の時に市販の総合漢方薬を大人の監督のもと、説明書記載の用法用量通りに服用した結果、私は人生初めての風邪薬によるアナフラキシーショックを起こして入院と相成ったからです。

花粉症の方必見!本当は怖いアレルギーの真実

 その後「風邪薬アレルギーの人の大多数は花粉症を併せ持っている」と、私がお世話になったアレルギー疾患ご専門の主治医に説明を受けたことがあります。

 また、花粉症の時期に果物や生野菜を摂ると、さらにアレルギーの症状が悪化するタイプの患者さんに対しては、「ラテックスフルーツ症候群」の可能性が高いとして、医師の間では注意して経過観察するのだとも伺いました。

花粉症の人がフルーツ、野菜、ナッツなどを食べた時に、口の中や唇の違和感やしびれ、顔面の腫れ、呼吸困難感が出現する病気で、ラテックスを含んだゴムでも同様の症状を起こすので、合わせて口腔アレルギー症候群・ラテックスフルーツ症候群と呼ばれています

「渋谷内科アレルギークリニック」より引用

 ひと口にアレルギー疾患といっても病状が一人ひとり異なるように、ショックを起こす原因となるアレルゲンも様々です。そこを踏まえて、重篤な状態を招く結果に至るには、アレルゲンだけではなく、患者さんの体調や季節も影響するとお医者さんはおっしゃっていました。

 つまり、同じ人が同じ食べ物を摂っても(=アレルゲンに接しても)
体調や時期によってアレルギーの症状が全く出ない時もあれば、場合によっては死亡に至るようなことも起こり得る、という点こそが「アレルギー疾患」の余り知られてはいない真実なのだそうです。

アレルギー疾患専門医の合言葉「風邪薬・ゴム・バナナ・クリ・マンゴー」

 ともあれ、風邪薬アレルギーの人全てがラテックスアレルギーである、とはいえないにせよ、風邪薬に負ける体質の人はゴム製品や、場合によっては果物や生野菜によっても、死亡事故を含む重大なショックを招く恐れがあるという事実は、皆様に広く知っておいていただきたいと思います。

 避妊具だけがゴムでできているのではないことはおわかりの通りです。例えば…できれば避けたい事態ではありますが、不慮の事故や急な病気などで緊急手術を要する場合も想定のうちでしょう。

 そんな場合に…仮に手術そのものは成功してもオペに使用するゴム手袋によってショックを起こし、死亡する方も…本当に稀なケースではありますが、決して皆無ではないのです。そんな不測の事態に備えて、ゴムアレルギーの可能性が予想される方は、保険証の裏などにその旨明記しておくことをお勧めいたします。

 アレルギーを専門とする医師の間では「ゴム(アレルギーの患者)はバナナ・クリ・マンゴーに弱い」という掛け言葉によって、アレルギー患者の医療事故を防ぐ取り組みをしているとも聞きました。専門医視点で鑑みれば、風邪薬によるアナフラキシーショックの履往歴を有する患者さんというのは、同時にほぼ間違いなくラテックスと生野菜や果物に過敏な体質、つまり「ラテックスフルーツ症候群」だとみなすべきだとのお話です。

 風邪薬やラテックスに弱い体質の患者さんは、果物の中でも特に生のバナナやマンゴー、キウイフルーツといったトロピカルフルーツと、栗には過敏症を呈する場合が多く、対応には注意が必要という事実は、アレルギー疾患を診ている専門医の間では臨床経験を通じて学び得た、もはや定説になっているのだとも伺いました。

 その経験を若い医師にも語呂合わせとして伝えつつアレルギー患者への投薬や処置の際には留意しろよ、ということなのだそうです。

 同じように患者さんに対しても、これまで風邪薬などでショックはじめ何らかのアレルギー症状を呈したことのある方は、体調が悪い時期や花粉症などのアレルギー疾患を起こしやすい季節には、特に意識して過ごしていただきたいそうです。そのような時期には普段はアレルギーを起こしたことがなくてもアレルゲンになりかねない食物や物質に対しては、摂取に慎重になっていただきたいとのお話でした。

根性論では風邪は治らない。でも休めない社会の風潮を考える

 それにしても何でも根性論で解決させたい日本人気質は時に、会社に来ても全く仕事にならないだろうというレベルの風邪引き社員に対してまで、有言無言の圧力で出社を迫りがちです。

 この年末年始シーズン、とある製薬メーカーの風邪薬のCMの「風邪でも絶対に仕事を休めないあなたへ」というキャッチコピーが。Twitter上で物議を醸した一件はまだ皆様の記憶に新しいところでしょう。

 よく考えれば仮に薬の力で熱やそのほかの症状を一時的に緩和させたとしても、それで風邪が抜けた、完治したというわけではありません。
例えばインフルエンザにかかったら、激しい発熱などの陽性反応が収まった後も、一週間は安静に過ごして、感染させるのを避けるためにも人が大勢集まるような場所に出かけるのは控えるべきだと医師も警告している事実は誰もが知っています。

 しかしながら、インフルエンザではない他の風邪ならば、多少無理してでも休まずに出社すべきだとする風潮はいかがなものでしょうか。インフルエンザでなくても伝染る風邪のウイルスというのは幾らでも存在します。無理して仕事に行って、しかし作業効率も上がらず、オフィス全体に風邪のウイルスをばら撒いては他の人にまで伝染。冷静に考えれば心底無意味な話です。

 仕事の内容によっては風邪薬の副作用で眠気を催し、重大事故の原因に繋がる可能性もゼロとはいえないのです。「万一の想定なんてしていない」のであれば、それは企業のコンプライアンスに忌々しき問題があるということです。

 風邪を引いたら安静を保てるようきちんと仕事を休める職場環境を整える。根性論で全てが解決出来るとは捉えずに、相対的に一番作業効率や安全が担保される社内の雰囲気を高めていく。これからはそういう視点もとても大切だと個人的には考えています。

 たかが風邪、されど風邪。ひどい風邪を引いても休めないような職場はそれこそ、もっと重篤な病気を患った場合に、社員の不安をいたずらに煽ってしまうばかりだといえます。

 また、病気ではありませんが…この少子化対策が叫ばれる折に社会で取られがちな「女性の積極的活用を、安心して産み育てられる社会を」という音頭とは逆行し、女性社員に「産めない」空気を押し付ける…そういう流れにも繋がりかねません。

 実は、風邪を引いて病院を受診するのは日本くらいなのだそうです。諸外国からみればとても不思議な現象なのだそうですが外国から来た私の友人知人は半年くらい暮らすと、日本の「休めない雰囲気」というのを言葉ではなく肌で感じ取ったと、そう口々に語っていました。郷に入らば業に従え。要するに「空気を読め」ということなのです。

インフルエンザ予防接種を拒否したら報告書を職場に提出

 同じく、日本人はインフルエンザワクチンの予防接種にも過剰な信頼を寄せがちです。インフルエンザの予防注射の効果の是非は置いておくとして冒頭でもお話した通り、重症のアレルギー体質である私は、当然ですが予防接種を受けることによって逆に重篤な健康被害が予測されます。

 小学校1年生の時に、校内で半強制的に接種させられた日本脳炎の予防注射によって、劇症肝炎にも似た症状のショックを呈して入院に至って以来、成人後も私は全ての予防接種を拒否してきました。

 しかし成人後の私が勤務していたあるIT関連会社で、福利厚生の一環として実施されるインフルエンザの予防接種を断ったところ会社の総務部から経緯説明を求められ「報告書」の提出を求められました。

 あくまでもインフルエンザの予防接種を受けると、余計に重篤な医療事故に繋がりかねないと思ったからこそ私は予防接種を受けない選択をしたのです。

 それにも拘らず「全員が受ける予防接種をお前はなぜ拒否するんだ」。こういう職場の雰囲気が、実は企業全体のコンプライアンスの根幹を狂わせているのではないか…そしていつかとんでもないことに繋がるのではないか。その会社を退職した後も私は危惧しています。

服用禁忌な薬までも!「心配だから」という理由で医師が多量処方

 自身のキャパを超えてしまったら、さすがの私も受診することはあります。一度40℃超の高熱を出して、近くのクリニックを受診したところ、ウイルス性の脳髄炎を起こしていた私はそのまま近隣の大学病院へと転院…みたいな経験もありました。どう考えても安静にしているだけでは回復が見込めない、いつもと違うなと思った時には私も躊躇わず医療機関の門を叩きます。

 しかしながら、一通りの検査を受けて「ただの風邪でしょう」という結論に至る場合もなかったわけではありません。ところが「普通の風邪」とされた時、医師が「心配ですから」と処方する薬の量がまた半端ないのです。

 アレルギー体質の私には服用できない薬というのも本当にいろいろあります。受診のたびにきちんとお薬手帳を提示し、これまで副作用が生じた薬の一覧も全て医師に見せているにも拘らず。「心配ですから」と、私にとって“禁忌”とされる薬剤を平気で何種類も処方する医師は幾らでも存在しました。正直、私のほうがそのような処方では不安になります。

 今までに副作用が現れた薬は当然、出されても服用せずに捨てることにしていますが他のお薬にしても「こんなにいい加減な先生の処方薬なんて飲めないや」と結果的に服用しないまま自然治癒となったことがこれまで数回ありました。

 そういう経緯もあり、私は結局…現在では発熱や嘔吐、のどの痛みなどの症状程度では、医療機関を受診するのを控えるようになってしまいました。

 最初にも少し触れましたが、私は市販の風邪薬でショックを起こして入院加療に至った経験が子どもの時に二回。また成人後、風邪で仕事が休めないなと思って受診し、医師による処方の風邪薬でショックを起こして入院に至ったことも二回あります。特に二十六歳の時のアナフラキシーショックは半端ではなく、私は一ヶ月以上ICUから出られないほど重篤な病状に陥りました。

医療を過信するな、どんなに医学が進歩しても死は免れない

 日本人はもしかしたら私も含めて医療を過信し過ぎているのかも知れません。風邪に限らずどのような病気であっても、最終的に治療は「症状を緩和させるだけ」のものでしかならないのです。なぜならどのような医療を保障されても、生きものとしての宿命で、人間も必ずいつかは死ぬからです。

 不老不死が実現不可能なように、死を回避できる治療というものはこの世に存在しません。意外と皆その点を忘れているような印象を受けます。過剰なまでに医療を信じないという視点は、悲惨な医療事故から自分を守るために必要不可欠であろうと、私自身の経験を通じて皆様に心から訴えたい心持です。

 風邪の症状で熱が高いこの年末年始の間、私は取り留めもなくこれらのことを考え続けていました。

 私は若い時に精神科医療で高機能自閉症を現在の「統合失調症」と誤診され、本来不必要だった多量の向精神薬を長期に亘って投与された結果…薬の副作用で歩行が困難となりました。そのため、現在の日本の医療をどうしても穿った目で見てしまいます。

 もしかしたら、アレルギー体質の私に多量の風邪薬が処方されるのも私が車椅子に乗った重度の障害者であり、東京都独自の「心身障害者医療費助成制度(マル障)」で、保険診療分について窓口負担がゼロとなることもあるかもしれません。医師は無駄な薬剤まで出せるものは何でも処方しようというスタンスなのではないのかと、そう思ってしまう場合も多いのが本音です。

 最終的に自分の身体や心を守れるのは自分自身に他なりません。医師をはなから疑ってかかるばかりでは、いいコミュニケーションも図れず、ベストな治療が成り立たないことも分かりますが、そう思っています。

 最終的に病気を治癒若しくは完解させるのは自分自身の力であり、医師や医師が処方する薬は自身の治癒力を補助する存在に過ぎないんだ。
そういう感覚も失いたくないなあと私は思っています。

アレルゲンフリーなコンドームでセーフティーセックスを

 蛇足ですが、冒頭お話した「二十歳の前田穂花・歌舞伎町ホテル事件」に関連して。

 ラテックスアレルギーの方に対しては、現在相模ゴム工業株式会社からポリウレタン製のコンドームが発売されています。同様の製品が最近(2017年)オカモト株式会社からも発売されました。通販で購入できます。

 一般的なコンドームに比べれば値段はやや高価だとも思えますが素材的に体温の伝導性が高く、より自然なセックスが愉しめると高評価を得、アレルギー体質ではないカップルにも多くの支持を受けています。

 私は女性ですので本当のところはわかりかねますが、ゴム製のそれよりも薄くてなめらかなので、男性の使用感は非常にいいという感想も聞いています。

 幸せで健康な人生を全うするためにも、女性にとって望まない妊娠や出産は極力回避すべきです。アレルギー体質だからといって、対応可能な避妊具がないわけではありません。高額だといってもせいぜい千円から二千円の話です。あなたやパートナーの大切な身体や幸せな一生を鑑みれば、決して高い価格設定だとは感じません。

 また、セーフティセックスを常に心がけることは大人としての常識であり、パートナーに対する責任だともいえます。 自分とパートナーを守る視点から、妊娠を希望していない限り、コンドームなしの性行為はNGだと、この記事を読まれている皆様には今一度心に留めておいていただきたい。最後に私からも強く申し上げたいと思います。

[参考記事]
「ロキソニンの副作用でアナフィラキシー。呼吸困難で病院へ」

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