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歯周病の罹患率とその深刻な現実|年代別・性別でみる日本人のリスクとは

歯周病とは?—現代人の“国民病”ともいえる口腔トラブル
歯周病(ししゅうびょう)は、歯を支える歯ぐき(歯肉)や骨(歯槽骨)などの組織が細菌によって炎症を起こす病気です。初期段階では「歯肉炎」と呼ばれ、進行すると「歯周炎」となり、最終的には歯が抜け落ちてしまうケースもあります。

虫歯と違って痛みを伴わず静かに進行するため、“サイレントディジーズ(静かな病気)”とも呼ばれています。

日本人の歯周病罹患率はどれくらい?
厚生労働省の「歯科疾患実態調査」や複数の研究データによると、日本人の成人の約8割が何らかの歯周病にかかっている、あるいはその予備軍であるとされています。これは20代からすでに見られ、年齢が上がるにつれて有病率も高まります。

以下のような年代別傾向が指摘されています:

  • 20代:30〜40%が歯肉に炎症を認める

  • 30代:60%前後が歯周病の兆候あり

  • 40代以上:80%以上が中等度〜重度の歯周病

特に45歳以上では、歯周病による歯の喪失が虫歯を上回っており、主な抜歯原因になっています。

なぜこんなに多くの人が歯周病になるのか?
歯周病の罹患率が高い背景には、以下のような生活習慣や環境要因が考えられます。

  • ⦿不十分な歯磨き(ブラッシング)

  • ⦿喫煙習慣

  • ⦿糖尿病などの全身疾患

  • ⦿ストレスや不規則な生活

  • ⦿定期的な歯科受診の欠如

特に、喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病の進行が早く、治療効果も得られにくいことが知られています。また、糖尿病患者では免疫機能の低下により、歯周組織の炎症が慢性化しやすくなります。

自覚症状がなくても進行していることも
歯周病の怖い点は、初期の段階では痛みがほとんどなく、自覚症状に乏しいことです。以下のような軽微なサインに注意が必要です:

  • 歯磨き時に出血する

  • 口臭が気になる

  • 歯ぐきが赤く腫れている

  • 朝起きた時に口の中がネバつく

  • 歯が長くなったように見える

これらはいずれも、歯周病の前兆である可能性があります。早期に歯科を受診することで、進行を食い止めることができます。

歯周病と全身の健康との関係
近年、歯周病は単なる“口の病気”にとどまらず、全身の健康と密接に関連していることが明らかになってきました。代表的な関連疾患として以下が挙げられます:

  • ⦿糖尿病:歯周病があると血糖コントロールが難しくなる

  • ⦿心筋梗塞・脳梗塞:歯周病菌が血管に侵入し、動脈硬化を促進

  • ⦿認知症:アルツハイマー型認知症のリスクが上昇する可能性

  • ⦿早産・低体重児出産:妊娠中の歯周病が母体と胎児に悪影響

このように、歯周病は全身の病気の「入り口」とも言える存在です。逆に言えば、口腔ケアを通して全身の健康を守ることが可能なのです。

歯周病の予防方法—今日からできるセルフケア
歯周病は予防できる病気です。以下の基本的なセルフケアを習慣にすることで、発症や進行を大きく抑えることができます。

  • ⦿正しいブラッシング(1日2回以上、3分以上)

  • ⦿デンタルフロスや歯間ブラシの活用

  • ⦿マウスウォッシュの併用

  • ⦿食生活の改善(糖分の取り過ぎに注意)

  • ⦿定期的な歯科健診(半年に1回が理想)

特に、歯と歯の間の汚れは通常の歯ブラシでは落としきれません。フロスや歯間ブラシの活用が非常に効果的です。

歯科医院でのプロケアも重要
セルフケアと並行して、歯科医院での定期的なプロケア(専門的なクリーニング)も不可欠です。歯石の除去や歯周ポケットの検査を通じて、早期発見・早期治療が可能になります。

特に歯周病が進行している場合は、スケーリングやルートプレーニング、さらには歯周外科治療などが行われることもあります。

まとめ:歯周病を放置しないことが未来の健康への第一歩
歯周病の罹患率は非常に高く、日本人の8割が何らかの症状を抱えているといわれています。加齢とともにリスクは増すため、若いうちからの予防が何より重要です。

口の健康は、全身の健康を支える“基盤”です。毎日の正しいケアと定期的な歯科受診を通して、歯周病ゼロの人生を目指しましょう。

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