「脳卒中は一刻を争う病気」
そう聞いたことがある人は多いでしょう。では実際、何分以内なら助かるのか。
この問いに、医学はかなりはっきりした答えを出しています。
結論から言えば、
最初の数分〜数時間の対応が、その後の人生を左右します。
脳は“時間に最も弱い臓器”
脳は体重のわずか2%ほどの臓器ですが、
全身の酸素とエネルギーの約20%を消費しています。
そのため血流が止まると――
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約4〜5分:脳細胞が不可逆的に壊れ始める
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10分以上:広範囲に深刻な障害が残る可能性が高い
心臓や肺よりも、はるかに時間に弱いのが脳なのです。
「助かる・助からない」を分ける3つの時間軸
① 発症から4〜5分
この時間帯は、脳細胞が死に始める境界線です。
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意識消失
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呼びかけに反応しない
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片側の手足が動かない
こうした症状が出ても、すぐに血流が回復すれば後遺症を最小限に抑えられる可能性があります。
② 発症から60分以内(ゴールデンアワー)
脳卒中治療で最も重要なのが、この 最初の1時間。
救急要請 → 病院到着 → 検査 → 治療
これがスムーズに進めば、
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命が助かる可能性が大きく上がる
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重い後遺症を回避できる確率が高い
まさに勝負の1時間です。
③ 発症から4.5時間以内
脳梗塞の場合、この時間内であれば
血栓を溶かす治療(tPA静注療法)が可能とされています。
ただし注意点があります。
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「4.5時間以内=安全」ではない
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早ければ早いほど回復率は高い
つまり
4.5時間は“最終ライン”であって、目標ではないのです。
すぐ救急車を呼ぶべき「FASTサイン」
脳卒中の早期発見には、世界共通のチェック法があります。
FAST(ファスト)
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F(Face):顔の片側がゆがむ
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A(Arm):片腕が上がらない
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S(Speech):言葉が出ない、ろれつが回らない
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T(Time):時間が勝負。すぐ119番
1つでも当てはまれば、迷わず救急車です。
「様子を見る」は、脳卒中では最も危険な判断です。
種類によって違う「時間との闘い」
脳梗塞
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血管が詰まるタイプ
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治療可能時間が比較的はっきりしている
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早期治療で社会復帰できる例も多い
脳出血
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血管が破れるタイプ
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出血が続くほど悪化
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血圧管理と迅速な対応が命を左右
くも膜下出血
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激しい頭痛が特徴
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発症直後の死亡率が高い
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「今までにない頭痛」は即救急
「助かった後」の人生を守るために
脳卒中は、
助かっても後遺症が残る病気です。
しかし逆に言えば、
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発見が早い
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対応が正しい
この2つがそろえば、
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麻痺が残らない
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会話や仕事に復帰できる
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介護を必要としない
そんな未来も十分に現実的です。
まとめ:覚えておくべき3行
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脳は4〜5分で壊れ始める
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最初の60分が運命を決める
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迷ったら即119番
「大げさかな」と思って呼んだ救急車が、
命と人生を救ったという例は、決して少なくありません。
この知識を、ぜひ
家族・親・職場の人とも共有してください。
それだけで、救える命があります。

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