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整形手術が失敗した事例を紹介します

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整形手術が失敗した事例:美の代償

美容整形手術は、外見を改善し自信を得る手段として多くの人に利用されている。現代では技術も進歩し、安全性も向上しているとはいえ、整形手術は依然として医療行為であり、失敗のリスクを伴う。ここでは、実際に起こった整形手術の失敗事例を紹介しながら、そのリスクと教訓について考える。


事例1:鼻の整形で呼吸障害に

29歳女性・Aさんは、長年自分の鼻の形にコンプレックスを抱えていた。特に鼻筋が低く、団子鼻であることが気になり、写真を撮られるのも嫌だったという。彼女はSNSで人気の高い美容外科クリニックに相談し、「鼻尖形成術」および「プロテーゼ挿入」の手術を受けた。

手術自体は2時間ほどで終了し、術後の腫れも通常範囲内だった。しかし、3週間が経過しても鼻詰まりが続き、呼吸が困難になるという症状が現れた。再度クリニックに相談したところ、「時間が経てば治る」と軽く扱われた。だが、症状は悪化し、他の耳鼻咽喉科を受診した結果、プロテーゼがずれて鼻中隔を圧迫していることが判明。急遽再手術が必要となった。

原因は、プロテーゼのサイズが合っていなかったこと、術後の管理が不十分だったこと、そして術前の診察でAさんの鼻腔の狭さが十分に考慮されていなかったことである。彼女はその後、プロテーゼを除去し、修正手術を受けたが、鼻の変形と呼吸機能の一部障害は残ってしまった。


事例2:二重整形で左右非対称に

21歳の大学生・Bさんは、大学入学を機に「自分を変えたい」という思いから、埋没法による二重整形を受けた。手術は大手の美容チェーンで行われ、価格も手頃であったことから決断に至った。

しかし、手術後の腫れが引いても、左右のまぶたの形が明らかに違っていた。右目は自然なラインだったが、左目は不自然に線が深く、まぶたが凹んで見える状態だった。Bさんはカウンセリングの際に「自然な平行型二重を希望」と伝えていたが、実際には目の骨格的に平行型が合わないケースだったという。

担当医師は新人であり、経験も浅かったことが後から判明した。修正手術を試みたが、完全には治らず、Bさんは常にアイプチや化粧でごまかさざるを得なくなってしまった。心にも大きな傷を負い、自信を失い、人前に出るのが億劫になったという。


事例3:フェイスリフトで神経損傷

55歳のCさんは、老けた印象を払拭するためフェイスリフト手術を受けた。都内でも評判の良いクリニックを選び、事前に何度もカウンセリングを重ねたうえでの決断だった。

手術は全身麻酔下で行われ、術後は顔のたるみが大きく改善されていた。しかし、左頬に感覚の麻痺があり、口角がうまく動かせないという異常が現れた。医師は「一時的な神経障害」と説明したが、半年以上経っても改善せず、大学病院で精密検査を受けた結果、顔面神経の一部が損傷していることが明らかになった。

フェイスリフトは皮膚の下の筋膜(SMAS層)を引き上げる高度な手術であり、解剖学的知識と技術が要求される。今回は術中の剥離範囲が広すぎたこと、神経の走行を十分に考慮していなかったことが原因と考えられる。

神経の再生には限界があり、Cさんは笑顔を作る際の左右差が残ってしまった。また、この影響でうつ状態にもなり、長期の心理的なサポートが必要となった。


事例4:豊胸手術で異物反応と硬化

グラビアモデルとして活動していたDさん(32歳)は、より理想的なバストラインを目指し、シリコンバッグによる豊胸手術を受けた。手術は一見成功したように思えたが、数か月後からバストの異常な硬化と痛みが現れた。

再診の結果、「カプセル拘縮」と呼ばれる合併症が発生していたことが判明。これは体が異物(シリコン)を包み込もうとして繊維性の膜を作り、それが硬くなってバストの形を歪める現象である。

Dさんはその後、バッグの除去と再手術を行ったが、皮膚の伸びや癒着により理想的な形を取り戻すのは難しく、結果的にモデル業も辞めざるを得なかった。


なぜ失敗は起きるのか?

整形手術の失敗には、いくつかの共通する要因がある。

  1. 術前の診察不足
     患者の骨格や皮膚の状態、希望との整合性を十分に確認せず手術に進むと、術後に期待とのギャップが生じやすい。

  2. 医師の技術不足や経験不足
     特に美容整形分野は資格があれば誰でも参入できるため、経験が浅い医師が執刀するケースもある。

  3. コミュニケーション不足
     患者が何を求めているのか、医師がどこまで実現可能かをしっかりすり合わせないまま手術を行うとトラブルにつながる。

  4. 術後の管理不備
     術後ケアやトラブル時の対応が不十分だと、小さな異常が大きな問題へと発展する。


教訓と対策

整形手術を考える際には、次の点を重視するべきである。

  • 複数のクリニックでカウンセリングを受ける
     一つの意見に頼らず、複数の医師からアドバイスを受けることで、より客観的な判断ができる。

  • 実績のある医師を選ぶ
     症例写真や口コミだけでなく、医師の経験年数や学会所属、専門医資格なども確認する。

  • 手術の限界を理解する
     整形には「できること」と「できないこと」がある。現実的な期待値を持つことが重要。

  • 術後のリスクも理解する
     どんなに安全性が高い手術でも、100%の成功は保証されていない。合併症の可能性も事前に確認することが必要だ。


おわりに

美容整形は、人生を前向きに変える手段になり得るが、裏を返せば大きなリスクを伴うものでもある。失敗の事例から学べることは多い。重要なのは、手術を受ける側が十分な情報を持ち、冷静かつ慎重に判断することである。美を求める心は否定されるべきではないが、それに伴うリスクと責任もまた、決して軽く考えてはならない。

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