この記事は40代の男性に、ストロイド剤による副作用の体験談を書いていただきました。
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病気の発症
私は20歳の時に腎臓病を患いました。病名は慢性の間質性腎炎です。クレアチニンという血液中の老廃物の値が、基準値を大きく超えていました。
主治医は、このままだと人工透析になるので、ステロイド剤を投与しました。人工透析にはなりたくなかったので、藁をもすがる思いでステロイド剤を飲みました。
幸運なことにクレアチニンは一気に基準値まで下がりましたが、この後ステロイド剤の副作用が待ち受けることになります。
副作用の出現
クレアチニンは基準値まで下がりましたが、腎臓病は治った訳ではなく、徐々にクレアチニンの値は上がって行くとの事でした。
しばらくしていると、左目がおかしくなりました。すりガラスを通して観ている違和感がありました。もちろん見えにくいので日常生活に支障が出て来ました。
慌てて主治医のところへ行くと、「ステロイド剤が原因だと思われる白内障」だと言われました。
「え?白内障ですか!」
白内障は、それまではお年寄りがかかる眼の病気という認識しかありませんでした。20代の若い自分がなるなんて一瞬たりとも思いもしませんでした。
ステロイド剤の副作用で、10ミリグラム程の量で白内障が出るとは主治医も想定外のようでした。
白内障の手術
とにもかくにも、目が見えにくいので白内障の手術をしないといけません。
白内障とは、目の水晶体が白く濁る病気です。メスで目の表面を切り、白濁を機械で吸い取る手術が必要になります。
いよいよ手術の日になりました。さすがに目を切るのは怖いですし、麻酔の針が見えるので恐怖心もあります。手術台でまず、麻酔を白目に打ちます。そして液体(多分消毒液)を入れたのですが、それにより何か万華鏡を観ているかのような感じがしました。
手術自体は20分程で終わりました。痛みもなく簡単な手術でしたが、強いて言えば白目に麻酔を打つ時はチクっとしたくらいでしょうか。
そして、1週間程、眼帯を付けて入院しました。
右目も白内障に
左目が治り、見えやすくなったのですが、続いて右目も白内障になりました。
左目の時の手術は実は1時間も手術台で待たされたので、今度は違う病院で手術を受けることにしました。
手術方法はほぼ同じでしたが、待たされることなく順調に手術が出来ました。こちらも白目に麻酔を打ち、白濁を取る手術でした。眼帯を付け、1週間程入院しました。
ステロイド剤の怖さ
両目の白内障という副作用は、ステロイド剤によって引き起こされました。巷では、けっこう安易にステロイド剤を使用します。
ですので、副作用についても良く知っておく必要があります。
〇ステロイド剤の副作用には白内障の他には緑内障もあります。緑内障は失明する可能性のある恐い病気です。原因はステロイドによる眼圧の上昇です。
〇感染症。ステロイド剤によって免疫力が下がるので感染することが多くなります。
〇骨粗鬆症。骨が弱くなることで、少ない刺激で骨折したりします。
〇高血糖。糖を下げにくくする作用が出てくる場合があります。
〇ムーンフェイス。顔がアンパンマンのように丸くなる症状ですが、これは比較的多く見られます。
続けて書きましたが、それはそれは恐ろしい危険な副作用だらけです。
間質性腎炎や白内障の予後
ステロイドの副作用である白内障は予後が良く、全く再発することもなく過ごせましたが、間質性腎炎によりクレアチニンが徐々に上がり、27歳の時にとうとう人工透析になりました。その後、約6年間透析を続けましたが、33歳の時に幸運にも父親より腎臓をもらい、それを移植し、透析から解放されました。
しかし、腎臓移植後に免疫抑制剤を服用することになりました。それにはあのステロイド剤も含まれていました。
その後、免疫抑制剤の副作用で緑内障になり、3カ月に1度眼科へ通って居ます。今のところ、初期段階でして、目薬で眼圧を下げるだけで治まっています。
再びステロイド剤の副作用
私が現在通っている病院は検査を多くしてもらえます。
ステロイドの副作用が不安だったので、骨の状態を検査してもらいました。すると、同じ年代の50%ほどしかない低いデータが出ました。これに関しては今のところ、薬の服用もなく現状維持で様子見です。
緑内障にしても骨粗鬆症にしてもまたしてもステロイド剤の副作用です。これからもずっと毎朝5ミリグラムを飲み続けなければなりません。出来れば飲みたくないのですが、移植した腎臓を守る為にも免疫抑制剤は飲まなければなりません。
以上、ステロイドの副作用について書きましたが、これから飲む機会がある方は、十分に気を付けて頂きたいです。
薬にはメリットもデメリットもあります。ステロイド剤には効果もありますが副作用も少なからずあることを覚えておいてください。
[参考記事]
「膠原病の薬(ステロイド)の副作用で顔がアンパンマンに」
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