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てんかんの薬の用量を間違えた処方により意識を失う。示談は成立

この記事は30代の女性に書いていただきました。抗てんかん薬に関わらず、用量の間違えは命にかかわります。

……….

 私の娘(現在14歳)は、突然に生後10ヶ月に初めて小児癲癇(てんかん)による痙攣を起こしました。私は始めは何が起こったか分かるわけもなく、救急車を呼び、近くの総合病院へ運ばれました。

 そして、そのまま入院になり、MRI検査や血液等のあらゆる検査の結果、「小児癲癇」であると診断され、痙攣発作を抑えるため、テグレトールという抗癲癇薬を処方され退院。

 それでも、頻繁に発作が起こるので救急車にお世話になる事は多くありましたが、とりあえず普通に生活できるようになると思っていました…

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意識が無くなる

 しかし、娘は徐々に体調不良を起こすようになりました。

 ある日は酷い頭痛、ある日は吐き気、ある日は腹痛、またある日はただひたすらボーっと視点が合わない…そんな感じで、主治医に聞いても「癲癇(てんかん)発作をよく起こすので仕方の無い事。副作用は今の段階では認められません。」と完全否定され、仕方なくテグレトールの副作用と効果の薄さを疑いつつも、どうにか誤魔化し我慢させつつ、周りの方々にも助けていただきながら年数が過ぎていきました。

 そして、そんな日々を変えたのは、またしても「テグレトール」でした。

 娘が小学校2年生のある日の定期診察で処方された処方箋を、何の疑いも無く毎度使わせていただいてた薬局に提出し、テグレトールをいつものように処方してもらい帰宅。

 その晩、もらってきた薬を夕食後に飲ませ…そこまでは、何らいつもと変わらぬ生活でした。

 が、薬を飲んでから30分程してから少しずつ娘の意識に変化が。

 いつもに増してボーっとして、「気持ち悪い」と言い出す娘。少しずつ足元もおかしくなり、よたついて自力歩行もできなくなる始末。それでも、病院に行って検査で疲れたせいかと思い、経過・様子を見ていました。

 そして、トイレに行きたいという娘を連れて行き、トイレの前で待つ事10分程。いつまで待っても娘が出て来ないことが心配になり、トイレの前から呼びかけても反応なし。すぐにトイレのドアを開けて見ると、そこには意識を失って倒れている娘の姿がありました。

 慌てて救急車を呼びかかりつけの病院へ行くと、またしてもその場で即刻入院。色々と検査したが特に普段と変わらず癲癇(てんかん)以外に問題はなし。

 ふと「まさか?!」と頭を過ぎり、主治医にその日に処方されたテグレトールを見せてみると、困惑されたかのような表情で、病室にて待つように指示されました。約1時間ほどした後、主治医と共に薬剤師が来ました。

 そして、謝罪の言葉と共に告げられたのが「用量を間違えて処方してしまいました」でした。

 私は、その瞬間言葉を失いました。

 そこで、まず確認したのが「このまま意識障害が残らないか?」「神経障害等が出ないか?いつ目が覚めて意識を取る戻すのか?」、それとやはり「今までの体調不良に関しては、薬の副作用は一切考えられないのか?」という事でした。

 ですが、曖昧な答えしかもらえず…ただ、「お母様のご対応が早かったので大丈夫かと思われます」「今までの事については、副作用の可能性は否定はできません」でした。

 全くもって、呆れと怒りしか湧きませんでした。

 その後、5時間程してから意識を完全に取り戻し、とりあえずは障害も残ってはいないようで救いでした。

 そして、その話を父親(娘から見た祖父)にしたところ、娘が退院後に先方も自宅までちょくちょく謝罪に来たことで誠意を持って対応はしてもらえたということで、結局は示談で終えましたが、これでもしこちらの対応や気付くのが遅かったらどうなっていたのかと、今でも恐怖心と怒りしかありません。

 また、小児癲癇(てんかん)に関しては完治と診断されましたが、今でも娘は幻聴幻覚を感じることも多く、心因発作として痙攣を起こすようにもなっています。引越しをした先の現在の主治医にこの話をしたところ、「この症状は小児癲癇(てんかん)だった子供が思春期になってから比較的なりやすいですが、用量を間違えたテグレトールのこの一件も全く無関係ではないかもしれない」と言われています。

[参考記事]
「てんかんの薬デパゲンの副作用で20kg太ってしまった経験」

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