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喘息の薬フルティフォームの副作用により呼吸困難に

 

20代の女性に「喘息の薬であるフルティフォームの副作用により呼吸困難になった経験」を書いていただきました。呼吸困難の原因はアナフィラキシー(アレルギー)ではないかと本人は思っています。

……..

 2年程前の秋。気候も涼しくなり、朝晩の温度差で体調管理が難しいと感じるようになった頃です。自分ではしっかり体調管理をしていたつもりだったのですが、風邪をひいてしまいました。大人になってから喘息を発症していた私は、風邪ひいたことをきっかけに咳が止まらなくなり喘息発作も誘発してしまいました。

 かかりつけの病院を受診し、風邪薬と一緒に喘息の内服薬である「アドエア」という吸入薬も処方されました。薬を服用して2日程で風邪は治りましたが、咳は全く止まらず昼も夜もずっと咳き込んでいました。その代わり副作用もありませんでした。

 2週間以上も咳が止まらなかったので、もう一度かかりつけの病院を受診しました。医師は「処方していたアドエアは発作を止める薬ではないので、既に発作が出てしまっているので効かないのかもしれませんね。」と私に告げました。そこで「フルティフォームという吸入薬に変えてみましょう。」と提案があり、処方してもらうことになりました。

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■フルティフォームの副作用の出現

 フルティフォームは1日2回の用法で処方されました。病院から帰り、就寝前に一度吸入しました。ベッドに横になって寝ようとしていたところ、心臓がバクバクと鳴り始めました。その動悸はしばらく続きましたが、「少し脳が興奮しているのかな」程度に思い就寝しました。翌朝は吸入薬の効果が切れているためなのか、いつもと変わらない朝でした。朝食後にフルティフォームを吸入してから仕事に向かいました。

 吸入してから30分程経過した時、副作用により手足が小刻みに震えてきました。喘息薬は手足が震えたりすることがあると聞いたことがあったので、震えが気になりながらも通勤のため電車に乗りました。電車に乗ると、今度は尋常じゃないほどの汗が流れてきて、動悸も激しくなってきました。さすがに「おかしいな」と思い途中下車も考えましたが、簡単に休めるような仕事ではなかったため、そのまま電車に乗っていました。

 吸入から50分程経過した時には、既に体に力が入らなくなっており、手足がだらりと落ちている状況でした。喘息発作を抑えるはずの薬なのに、だんだん呼吸が苦しくなっていくのも感じました。冷や汗が止まることもなく、血の気が引いていることが自分でも分かるくらいで、目の前の景色がだんだん暗くなっていき、目を開けていられなくなりました。

 職場の最寄駅に到着する頃、体に力が入らない状態でしたが、仕事先に迷惑をかけられない一心で、体を引きずるようにして下車しました。まるで自分の体じゃなくなったような感覚に恐怖を覚えました。ホームのベンチに座ると、吸っても吸っても酸素が肺に届かないような感覚になり、まるで溺れているかのように呼吸困難になりました。とても喋れるような状況ではなかったため、私は震える手でスマートフォンの画面を開いて119番を押し、近くの人に通話ボタンを押してもらって救急連絡をしてもらおうとも考えました。

 しかし、救急連絡はせず、30分程ベンチで休憩していると、息苦しさは残っているものの溺れるような感覚になる程の呼吸困難は収まってきたので、その日は自宅に引き返すことにしました。当然、フルティフォームの副作用により、こういう事態になったことはこの時点で確信をしていました。

その後のこと

 自宅に戻った私は、ベッドに横になり安静にすることにしました。薬の効果が切れてきた夕方頃に、かかりつけ病院へ受診しました。受診した頃には症状が治まっていたせいか、その日の出来事や症状を伝えましたが「呼吸困難は副作用でしょうね。喘息の薬で震えや動悸が副作用として出ることはありますので。アナフィラキシーかどうかは今症状が出ていないので断言できません」と、そこまで真剣に向き合ってもらえませんでした。

 帰宅してから自分でフルティフォームについて調べたところ、重大な副作用として「ショック、アナフィラキシー」や「血清カリウム値の低下」などが出てきて、症状がとても当てはまるところがたくさんありました。フルティフォームを止めてからはそのような症状が出現することはなく、咳も次第に落ち着いていきました。

 このような経験は初めてだったので恐怖でいっぱいでした。自分の体が自分の意思でどうにもできなくなった時はSOSを発信しなければ危険な状態に陥ってしまいます。今回私はなかなか勇気が出せず119番を躊躇ってしまいましたが、本来であればこのような状態の場合は助けを求めなければいけない状況だったと思います。

 喘息の薬フルティフォームにより重大な副作用を経験することなど滅多にないとは思いますが、少しでもいつもと違うと異変を感じたら無理をせずに医療機関をすみやかに受診していただきたいと皆さんにお伝えしたいです。

[参考記事]
「ロキソニンの副作用でアナフィラキシー。呼吸困難で病院へ」

COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 2 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. 振戦、動悸、冷や汗、手足の力が抜ける、呼吸困難、そして自分の身体ではない感覚。
    同じようになりました。
    しかし医者に相談しても「たくさん処方してきたけど、過去にそのようなことになった患者がいない」と私がまるで嘘つきかのような扱いをされました。どうにか動けるようになってからの再受診だったので信じてもらえなかったんだと思います。パルスオキシメーターで脈が118くらいだったのを見てようやく心電図と血液検査をしてもらえましたが、結果は異常がなく心因性みたいなことを言われました。
    薬の説明書にはこうなることがあると書いてあるにもかかわらず、なぜ医者は信じてくれないのでしょうか。不思議でなりません。

    • ほとんどの医者は薬の添付文書を読んでいませんので、分かりません。
      「心因性」という言葉で逃げるのも医者は得意ですね。
      ワクチンの副作用やレーシックの失敗の患者にも「心因性」という言葉を使います。
      医学の教科書に書いてあるのでは(笑)

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