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抗うつ剤の副作用により全身が石のように

 

この記事は40代の男性に書いていただきました。抗うつ剤により、様々な副作用を被っており、「全身が石のようになる」という経験もされています。

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 私は現在47歳の男性で、8年以上、心療内科への通院を続けております。信じられないほどの突然の気分の落ち込みに襲われ、妻の勧めで心療内科を受診したことから今日に至るわけですが、初診の30分間の問診、カウンセリングの結果「うつ病」との診断を受けました。

 ですので、当初、抗うつ剤として処方されたのが、「ワイパックス」という薬でした。薬の説明には、不安を和らげる薬との記載があり、文字だけ読むと、抗うつ剤という実感が無かったのですが、初めて服用したときに、さっそく私の身体に異変が現れました。

 この薬は「不安を和らげる作用が強いけど、安全な薬」とサイトに書いてあったので、安心はしていたのですが、副作用が出たのです。まずは代表的な副作用なのですが、倦怠感と軽いめまいや体のふらつき感です。極力、飲酒は控えなければならなかったのですが、うっかり適量を超えて飲酒をしてしまうと、副作用が強く出ました。

 しかし、なかなか薬の効果が表れることがなく、それでも3年近くは少しづつ量を増やして飲み続けました。皮肉なことに、抗うつ剤というのは、効果が出るのは遅く、副作用はすぐに出るというものが多数なのです。そんな月日を経過したある時、これも信じ難いほど突然に塞ぎ込んでいた自分の心が嘘だったかのように、晴れたのです。私は、薬がついに効いてくれた、病気が治ってきたのかとテンションが上がりました。このテンションの高揚が、地獄の日々の始まりだとは想像できませんでした。

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うつ病から双極性障害2型に

 自分自身では、快方に向かってると確信し、元々どちらかというとテンションが高い性格でしたので、周囲からも元気になって良かったね、と言ってもらえたのですが、ここから転落の数年間を過ごすこととなりました。テンションの高さが尋常じゃなかったのです。自分では気づかないのですが、周りの目からは、元気になりすぎて異様だったようです。

 そのハイテンションといったら、まずは睡眠を取らなくても平気でしたので、夜中まで起きていました。そして、とてつもなく早朝に目が覚め、毎朝コンビニに通っては雑誌を買っていました。コンビニではたかが知れてるので、書店へ2日に1度の頻度で通っては、読みもしないのに雑誌を買いまくったのです。

 さらにエスカレートした私は、学生時代に遊び程度にかじったギターに心を奪われ始めるのです。最初はリサイクルショップで、中古の安価なギターを購入したのですが、飽き足りず、次から次へと高価なものへと。気づけば、ギターが9本手元に。極めつけは、ローンを組んでスクーターを購入。そうです、この異常なまでのハイテンションに伴っての買い物依存、まさしく鬱状態から、躁状態に変身していたのです。治ったどころか、うつ病よりも厄介な、双極性障害2型(躁うつ病)だったのです。

 ですので、抗うつ薬の処方は無きに等しくなり、それに代わり、精神安定剤、抗興奮剤で、テンションを下げていこうという治療になったのです。薬が効いたのか、ほどなく私は以前にも増して、鬱症状に逆戻りです。

 そこで処方されたのは、「サインバルタ」という抗うつ剤でした。これは、「劇薬」に指定されるほどの強い薬で、副作用も強く、ふらつきの程度は酷くなり、吐き気、下痢、異常なまでののどの渇き、そして私が一番辛かったのが、頭の先から首、肩、背中までの「凝り」です。それは、凝りなんてもんじゃなく全身が石のように固まったような感覚、頭は頭痛ではなく、頭重なのです。

 最初はサインバルタのカプセル2錠を処方され、1年半近く飲み続けました。副作用は辛く、そのうち手足の痺れや震えも出始め布団に横になっていても楽になるところか、私の場合は横になってる時の方が辛く感じました。

 しかし、ようやく精神的にはフラットな状態になってきて、2錠から1錠に減薬となったのですが、この減薬の際の副作用がまた辛いのです。すでに、言ってみれば中毒になってるのですから、2錠を1錠に減らしただけで脳がパニックを起こすのです。いつも、ほぼ決まった時間に2つ入ってくるはずの物が、1つしか入ってこないという事に対して即座に対応しきれずに、身体に異変を起こすのです。

 これは離脱症状とも呼ばれ、私の場合は一番キツく表れた副作用は、痙攣まではいかないものの、おそらくそれに近い痺れと震えが1分毎にビビッと襲ってくるのです。本当に耐えがたい苦痛でしたが、耐える以外に方法はないのです。

現在の状況

 減薬は、精神的に安定しつつあるという診断のもとに行われたものであり、徐々に症状は快方に向かっていると言えるのです。例えは不適切かも知れませんが、私は、この辛かった副作用は抗がん剤治療による副作用と同じなのかなと思いました。病状が良くなるには避けて通れない苦しみだったのではないかと。

 そして、現在はまだ抗うつ剤は飲んでいますが、「セルトラリン」という、効き目は低いですが、副作用も出にくいという薬で、飲み始めてから2か月になろうとしていますが、精神的な変化も見られず、ありがたいことに、副作用も出ていません。

 双極性障害は、躁と鬱の繰り返しですので、またいつ何時、ハイテンションの波がやってくるかわからないのです。その波は徐々にフラットに近くなっていくはずですから、波が襲ってきそうになったときには冷静に自覚し、マインドコントロール出来るように、上手に気長に付き合うしかありません。副作用は本当に辛いですが、やはり飲まないといけないときには必ず飲まないといけないのです。自分で勝手に判断しての断薬は勿論のこと、勝手な減薬も絶対にだめなのです。

[参考記事]
「パキシルにより楽しさや嬉しさを感じないようになる」

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