この記事は30代の女性の方に書いていただいています。
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私がこの「ウテメリン」を処方されたのは、妊娠4ヶ月くらいからでした。ウテメリンは簡単に説明すると、赤ちゃんが早めに出てこないように止めておく早産、流産を予防するための薬です。
ある日、いつもの様に妊婦検診で診察してもらっていた時でした。
「ちょっと、切迫ぎみだから、ウテメリン飲んでみようか」
と先生に言われました。
私の場合、双子を妊娠しているということで特に安静が必要だったのですが、産休前に仕事を休む事ができず、無理がたたったようです。ですので、かなり早い段階からウテメリンを処方されました。
先生からは
「副作用があると思うけど、大した事ないとは思うんだけど…どうかなぁ〜?」
と、軽い感じで説明を受けました。
他にもっと弱い薬はないのかを聞いたら
「ウテメリンで駄目な場合は、入院して点滴するしかない」
と言われました。
私自身、薬を飲んで副作用が出た事なんて今までなかったし、副作用なんてないだろうなんて、かなり軽い気持ちでいました。
ウテメリンで副作用が…
まず、お昼に飲んでくださいと処方されたので、飲んでみました。飲んで1時間後くらいに体に異変を感じました。元々悪阻(つわり)が酷く、気分が悪い日々が続いていましたが、それとは別に身体の重さを感じました。もう、立っていられないのです。
とりあえず、かなりしんどかったので、布団に横になると、激しい動悸がしてきました。家に一人だったので、不安で不安でどうしようもなくなりました。その時は、薬の副作用で具合悪くなっている事に気付いていなかったので、尚更不安でした。
とりあえず、その後少し寝ましたが、夫が帰ってくる時間になるので夕飯の準備を始めました。キャベツをいつもにように切っているだけなのに、等間隔に切れていないことに気づきました。私は調理師の免許を持っているので、包丁の使い方は普通の主婦よりも上手です。それなのに手を切りそうになりながら、やっと切り終わりました。
そして、夫と一緒に夕飯を食べようと味噌汁のお碗を持った時に驚きました。左手で持ったお碗が、ガタガタ揺れてるのです。お碗の中の味噌汁がこぼれそうになるくらい震えているのです。右手で左手を思わず掴みましたが、震えは止まりません。その時自分の右手を見て、初めて、自分の腕が震えている事に気づきました。
『怖い…』
素直に思いました。
そして、これが薬の副作用だという事にも気づきました。『大した事ないような事言ってたのに…』と、先生の言葉を思い出しながら、怒りも覚えました。
夕飯は、途中で止めて、また横になりました。自分の手のひらを見ると、自分の意志とは関係なく震えているのが改めて目に入ります。そして動悸…。
またひとつ、赤ちゃんを守る為に戦わなければならない事が増えたなとその時思いました。
入院
その後結局、ウテメリンだけでは双子をお腹に留めて置くことが、私の身体では無理になり、24時間点滴の入院を3ヶ月する事になりました。
点滴はウテメリンと効果は同じですと医師には言われましたが、24時間ずっと点滴で直接身体に入れる分、効き目はあるそうです。入院中の治療は、ひたすら点滴だけでした。
後は、安静を頑張るのみでした。本を読むのも禁止でしたし、子供達へのプレゼントで靴下を編もうと思っていたのですが、それも禁止でした。入院するまでの数カ月、毎日ウテメリンも飲み続けました。
その数カ月、副作用が消えて良くなる事はありませんてしたが、震える腕に慣れていき、動悸も当たり前になって行きました。
しかし、もう一つの大きな不安、
「薬の副作用で子供が障害を負うのではないか」
ということを絶えず考えていたので、精神的には限界でした。
病院に通いはじめた時から、『産める時期になったら、すぐに帝王切開で産むので、この日の中から誕生日を決めて下さい』と言われていて手術日が元から決まっていたので、その日まで入院していました。
結局はウチの双子は元気に産まれてきてくれたのですが、『ウテメリン』と言う薬の名前を聞くと、今でも複雑な気持ちになります。
[参考記事]
「母はロキソニンの副作用で脳幹梗塞になりました(実例)」
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