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東大で医学論文の不正が発覚

東京大学の4つの研究グループ(医学系)が11本の論文に不正なデータを載せた疑いがあることが昨日の日経新聞に書かれていました。STAP細胞の時にも指摘されていましたが、これらの論文も画像の一部を切り貼りして、自分たちの研究が理論通りのものだと騙す手法です。

東京大学といえば以前ノバルティスファーマ社の「タシグナ」の臨床試験で、製薬会社に対して参加者の個人情報を教えてしまったり、臨床試験の計画書作成に製薬会社の社員を関わらせたりしていました(参考記事「製薬会社と大学の犯罪的な関係。臨床試験の利益相反が後を絶たない」)。要は利益相反の問題で、「本来は中立的な立場で臨床試験を行わなければいけないのに、製薬会社の社員を試験に関わらせたらダメですよね」という問題です。

それを釈明するために記者会見を開いているのですが、その日がSTAP細胞の問題で中間報告が出る日と同じだったのです。もちろん、注目はSTAP細胞に行きますので、東京大学の利益相反事件に関心を示すメディアは少なかったです。こんな「せこいマネ」をするわけですので、反省しているわけありません。やはり反省していなかったかと思わせたのが、今回明らかになった論文不正事件です。

論文が不正なデータに裏付けされていたとしたら、我々の生命に直結する話になってくる訳ですので、本当に怖い話です。ノバルティスファーマ社のディオバン事件でも論文不正は明らかになっていますが、お金次第でどうにでもなるのが医学論文ってことなのか。 

世界で発表された過去15年間の生物医学系の学術論文を抽出して調べたところ、同じ方法で実験すれば同じ結果が得られる「再現性」を確認するための手法が十分に書かれていないなど、ほぼすべてに欠陥があったとする分析結果を、米スタンフォード大などの研究チームがオンライン科学誌プロス・バイオロジーに発表した。
資金の提供元などに関する情報がない論文も多く、論文のデータ改ざんや捏造(ねつぞう)の背景になっているとの指摘もある

研究チームは、2000〜14年に発表された生物医学系論文から441本を無作為に抽出。そのうち実験データを伴う268本を精査したところ、再現実験に必要な全ての手順や条件を公表している論文は1本だけだった。

 論文の図表類の基になる実験の生データを紹介している論文もゼロで、生データの取り寄せ方法を示した論文も1本しかなかった。
また、論文441本のうち51.7%で研究資金の出所の記載がなく、69.2%は企業などとの利害関係を示す「利益相反」の有無を明示していなかった。研究チームは、各論文の研究結果の真偽については検証していない。

毎日新聞から引用

 

東京大に所属する4つの研究グループによる医学系の研究論文に不正の疑いが浮上し、東大が予備調査を始めたことが31日までにわかった。東大は内容を精査したうえで、9月中にも本格的な調査に入るかどうかを決める。
疑いが浮上しているのは、英の有力科学誌ネイチャーなどに掲載された計11本の研究論文。
掲載されたグラフを解析したところ、意図的に加工した疑いがある不自然な点が見つかった。
8月中旬に東大、文部科学省などに不正を指摘する告発文が届いて発覚した。
東大の規定によると、予備調査を開始して原則1カ月以内に本調査に移行するかどうかを決めることになっている。

日本経済新聞から引用

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