この記事は30代の女性に書いていただきました。
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私が臨床現場で体験した副作用と対処法をご紹介したいと思います。基本的に精神薬は危険だと言う認識を持っていただくために、この記事を書きます。
一回でも飲んでしまうと自分の意思で勝手に止めることはできません。なぜなら、離脱症状(禁断症状)は現れるからです。ですので、精神薬を処方されても、慎重に飲むことをお勧めします。
アカシジア
ある日、とある患者さんより「足がむずむずしたり、そわそわしたりする。これはいったいなんなのか?」と質問をされたことがありました。これはアカシジアという症状ですが、入院してきてから約一ヶ月ころの出来事です。
そこで調べてみるとその患者さんは抗精神薬であるセレネース(リントン)を服用していました。主治医へすぐに報告し、いま現在の内服状況を確認し、アカシジアの発症と精神薬の内服期間が短いということで、薬自体がまだ身体に馴染んでいないことが考えられたため、数週間様子を見ることにしました。
この患者さんの場合、アカシジアの症状が軽かったこともあり軽減に至ったが、中には重篤な状態(足が落ち着かないということに加えて、不安や焦り、イライラ、そわそわしたり、不眠などの精神症状の出現)になる場合があるので、そういう時は減薬や変薬を主治医に言うことが必要です(減薬や変薬が出来ない場合は、副作用を止める薬で対処することがあります)。
ジスキネジア
抗精神薬を長い期間服用していると、ある日、顔の筋肉が動きにくくなったり、手足などが勝手に動くようになります。これをジスキネジアと言います。これを発症した場合、薬を中止しても中々症状が軽快しない場合が多いです。いまだ有効なお薬は見出されていないのが現状です。
ジスキネジアを発症してしまった場合、薬の中止が難しい場合であれば患者さんの気持ちを傾聴し少しでも気持ちが楽になるように対処することが必要になります。
悪性症候群
抗精神薬内服中に、まれに起こる重篤な副作用があります。それが悪性症候群と呼ばれるものです。ある日、私が受け持っている患者さんは寝汗をかいていました。「寝苦しくてね、沢山汗をかいたよ」と笑っていたのです。そして、手足が震え始めます。
「ちょっと寒気がするね。」とその患者さんは言うので、熱が出る前触れなのだろうと、ただ単純に考えていたのですが、そもそもそこがすでに間違いだったのです。熱はどんどん上がっていきます。38度、39度、筋肉のこわばりや、意識障害も併発していました。すぐに応援看護師を呼び、対処しました。主治医を呼び、原因を探ると、抗精神薬による悪性症候群でした。すぐに原因薬を中止し対処療法を行ないました。
今回は病院であったこともあり、一般病棟からICU病棟に転棟という形になりましたが、もしご自宅で抗精神薬を内服中の方がこういった症状を起こされた場合、すぐに救急車を呼んでもらい、精神科と内科でミックス対応をしてもらうことが必要となります。
悪性症候群は本当に生死に関わる重篤な副作用です。もし、こういう場面に出くわされた場合、少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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