今夏の記事も産婦人科の医師に書いていただきました。
不妊の原因の一つに子宮筋腫もあるそうですが、このことを知らない人も多いのではないでしょうか。
中々、子供が出来ないなと言う夫婦がいるのならば子宮筋腫の疑いがないかを「どんな症状があれば子宮筋腫を疑うべきかを医師(産婦人科)が解説」で確認してみてください。
……………医師の記事はここから
子宮筋腫は成人女性のおよそ3割が持っている、意外とありふれた疾患です。ですから、子宮筋腫がありながら妊娠できるのか、心配されている方もいるでしょう。実際は子宮筋腫が不妊症の原因になっている方もいますが、何にも問題なく妊娠・出産できる方もたくさんいます。
妊娠しにくい子宮筋腫とは
子宮筋腫があっても妊娠できるかどうかは子宮筋腫のある場所や大きさが影響します。まず、子宮筋腫には子宮の外側にできる「漿膜下筋腫」、子宮の筋肉の中にできる「筋層内筋腫」、子宮内膜のすぐ直下にできる「粘膜下筋腫」の3種類があります。このうち、妊娠に影響するのは筋層内筋腫と粘膜下筋腫の2つです。
筋層内筋腫がたくさんあるときや、筋腫はひとつだけでも大きなものがあるときは妊娠しづらいです。なぜなら子宮筋腫によって子宮が変形してしまいますし、子宮に流れ込む栄養を子宮筋腫が奪ってしまうからです。中には子宮筋腫があることで、子宮が折れ曲がるような形になってしまっている方もいるんですよ。
流産しやすい子宮筋腫とは
幸いに妊娠した場合でも、流産してしまうことがあります。特に赤ちゃんをぐるりと取り囲むように子宮全体に筋腫が存在している場合は流産しやすくなります。
流産しないで、出産までたどり着いたとしても、筋腫によって産道がへこむため、うまく赤ちゃんが出られなくなり帝王切開でのお産になることもあります。
子宮筋腫により妊娠しにくい場合はどうしらたいいのか
子宮筋腫が不妊症の原因になっていると推定される場合は、手術で子宮筋腫を取り除きます。筋層内筋腫であれば、子宮筋腫核出術といって、子宮の表面に切り目を入れて筋腫を取り出します(参考記事「子宮筋腫の手術はどんなことをするのか?を医師(産婦人科)が解説」)。
粘膜下筋腫では、水で子宮の中を少し膨らませ、子宮鏡という細いカメラで見ながら子宮筋腫を少しずつ削りとっていく手術をします。
手術のあと、傷を休ませるためにしばらく避妊する必要がありますが、手術を行ったことで無事に妊娠に至る方もたくさんおられます。効果のある方法ですよ。
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