今回も産婦人科の医師に記事を書いていただきました。
テーマは「子宮筋腫はどんな時に手術をするのか」です。
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子宮筋腫は「良性のこぶ」です。がんとは違い、子宮筋腫そのものによって命を落とすことはないため、必ずしも治療が必要とは限りません。
しかし、例えば
「(子宮筋腫で圧迫されて)尿が出にくい」
「子供を産みたいのに妊娠できない」
「痛みが出てきた」
などといった、困った症状が出てきた場合は治療の対象となります。
子宮筋腫の治療には、薬物療法と手術療法がありますが、今回は手術療法について説明いたします。
1.子宮筋腫核出術
子宮を残し、筋腫の部分だけを取り出す手術です。そう聞くとなんだか簡単な手術なように感じるかもしれませんが、後でお話しする子宮を取る手術などに比べて出血が多くなるリスクの高い手術です。そのため、基本的には今後妊娠出産を考えている人だけに行う手術になります。
子宮の一部を切って筋腫を取り出すため、子宮に傷が入ります。その傷を落ち着かせるため、手術をして半年くらいは避妊をする必要があります。また、(妊娠をした場合)陣痛によって子宮破裂(子宮の壁が割ける)を起こす可能性があるので、分娩方法は帝王切開になります。
2.子宮全摘術
子宮ごと取る手術です。子宮を取ってしまうともう妊娠できないので、今後妊娠出産をしない人に対して行う手術です。開腹手術で行う場合と、腹腔鏡で行う場合があります。
子宮筋腫のせいで生理の量が多かった人は、子宮を取ることで生理がなくなるので、貧血になったり外出を制限したりしなくてよくなるメリットがあります。
「子宮を取るとお腹の中に空洞ができるのでは?」と気にされる方がいますが、子宮と腸は同じ空間の中にあり、子宮を取った分のスペースには腸がおりてくるので、お腹の中に空洞はできません。
3.子宮内膜焼灼術
生理の量が多くて日常生活に影響を来しており、今後妊娠出産をするつもりはないが、子宮を取るのはイヤだという方に行う手術です。子宮や筋腫はそのまま残し、生理のときに剥がれ落ちる部分である子宮の内膜をマイクロ波で焼き払います。1泊2日など短い入院期間で行え、劇的に生理の量が減る手術です。
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