以下の前回の記事と同様、今回の記事も現役の産婦人科医に書いていただきました。
今回のテーマは子宮筋腫を見つけるために、どんな検査を行なうのかです。
「どんな症状があれば子宮筋腫を疑うべきかを医師(産婦人科)が解説」
「子宮筋腫とは何か?原因は合成シャンプーなのか?を医師(産婦人科)が解説」
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時々、外来を受診された患者さんから、「子宮がん検診は受けたことあるけど、その時子宮筋腫だなんて言われませんでした」と言われることがあります。子宮がん検診だけでは、子宮筋腫は見つかりません!
では子宮筋腫を診断するためには、どのような検査が必要なのか、ご説明します。
1.内診
まず基本は内診です。お腹側と腟側から、両手で子宮を挟み込むように触診し、子宮の大きさやボコボコしていないかなどを確認しています。
2.超音波(エコー)
基本的には経腟エコーといって、2cmくらいの太さのエコーを腟に入れ、検査をします。性交渉歴のない方では肛門からエコーを入れて検査することもあります。
「お腹から当てるのじゃだめなの?」と思われるかもしれませんが、子宮や卵巣に関しては、お腹から当てるより腟から当てたほうが正確です。筋腫の有無、おおよそどこにどれくらいの大きさの筋腫があるのかを見ていきます。ただし、あまりにも筋腫が多い方は、エコーでは正確な数や大きさはわからないことがあります。
経腟エコーを痛くしないコツは、なるだけ力を抜くことです。怖い!と思って力を入れると腟がぐっとしまってしまい、痛くなります。深呼吸をして、なるだけ力を抜くことで、痛みは少なくなります。怖い方は、事前に言っていただければエコーの表面に麻酔薬入りのゼリーを塗って行うこともできますよ。
3.MRI
子宮や卵巣をチェックするには、MRIはとっても良い検査方法です。エコーでは見づらいような小さい筋腫も見えますし、筋腫がどれくらい子宮の内膜に近いか、数は何個かなどといった評価もできます。エコーに比べて高額な検査ですので、エコーで見て「子宮筋腫がある」と確認されてから行うことがほとんどです。
磁気を使う検査ですので、放射線被ばくはしません。しかし、検査には30分ほどかかること、大きな音がすること(ヘッドフォンをつけます)、狭い空間に入って検査することがデメリットです。
閉所恐怖症の方には行えません。また、入れ墨(タトゥー)・アートメイクをしていると、その部分が火傷しますので、これらのある方も行いません。
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