高齢の人が胃薬などの薬を飲むと一時的に認知症と同じ症状が発生する可能性があるのをご存知ですか?これを「せん妄」といいます。
せん妄の症状は以下の通りです。
〇自分がどこにいるのか分からない
〇意味が分からないことを話す
〇幻覚、幻聴
〇文字が書けない
〇集中力が続かない
例えば以下の薬を飲んだ後に認知症に似た症状が出たら注意してください。
それは認知症ではありません。
〇ファモチジン(ガスター10など)
〇タミフル
〇チエナム
〇ピロリ菌の除去で使うクラリスロマイシン(クラリスやクラリシッド)
〇アジスロマイシン(ジスロマック)
認知症とせん妄の大きな違い
認知症とせん妄の違いはその症状が出るまでどれくらいかかっているのかが1つの目安になります。認知症は年単位でゆっくり進行するのに対して、せん妄は時間単位、日単位で進行します。また、せん妄の場合には薬を止めれば症状が消えます。
医師の中には認知症とせん妄を区別できない人が多く、認知症ではないのに認知症の薬を処方されてしまう例も少なくありません。そうすると、元の薬(例えば胃薬を飲んでせん妄になった場合)と認知症薬の相互作用でせん妄が悪さらに悪化します。
また、せん妄ではありませんが、精神薬を飲んだ後に「記憶が無くなる副作用」が起こるケースがあります。例えばゴミ箱に菓子パンの袋が入っているけど、食べた記憶がない、また、薬を飲んでから家族と話したことを全く覚えていないなんてことが起こります。これも高齢者の場合には誤診の要因になります。
薬では認知症は治せない
エーザイから発売しているアリセプト(認知症の薬)に関してカナダのある州が実施した試験によると薬による利益よりも害の方が多いことが判明しています。
さらにイギリスの医学雑誌によるとアリセプトの効果はほとんど期待できないと書かれています。実は認知症の薬の添付文書には以下のように「効果が確認できない」と書いてあります(参考記事「薬(アリセプト)は認知症に効果があるのか検証してみた」)。私は効果が無いのに薬が認可されている現状に対して違和感を感じます。
1.本剤がアルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。
2.アルツハイマー型認知症及びレビー小体型認知症以外の認知症性疾患において本剤の有効性は確認されていない。
アリセプトの添付文書より引用
また、アリセプトの副作用は以下の通り複数ありますが、こんな恐い薬を親に飲ませたいですか?
心筋梗塞、心不全
消化性潰瘍、十二指腸潰瘍穿孔、消化管出血
肝炎、肝機能障害、黄疸
横紋筋融解症
呼吸困難
[後記]
「トランス脂肪酸を含むマーガリンは食べるな! 病気になるよ」でお伝えしましたが、トランス脂肪酸は認知症のリスクを2倍増やしますのでご注意を!
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