Read Article

広告

夜型の女性は乳癌のリスクが40%増加

夜勤勤務をしている女性は乳癌のリスクが高いという研究を2つ紹介します。

①デンマーク癌学会癌疫学研究所が「夜勤勤務の女性は通常の女性に比べて40%も乳癌のリスクが高い」と発表しました。

この研究はデンマーク軍に勤めている約1万8000人を対象として調査したものです。

乳癌のリスクが高くなる理由は2つあると言っています。

理由の1つ目は夜起きていることによって、メラトニンの分泌が減ってしまうことです。

メラトニンは体内時計をコントロールしている脳内ホルモンです。

朝は朝日(光)を浴びることでメラトニンの分泌が減り、夜は眠くなるようにメラトニンの分泌が増えます(メラトニンが増えると眠くなるので、眠りホルモンと言われている)。

メラトニンは体内時計のコントロールだけではなく、癌を抑制する役割もあります(乳癌に対する抑制作用は動物実験により確認されています)。

メラトニンはがん細胞自体に働きかけて増殖を抑える効果も報告されています。
メラトニンには、腫瘍血管の新生やがん細胞の増殖、転移を阻害する作用が報告されています。
メラトニンは培養細胞を使った研究で、乳がん細胞のp53蛋白(がん抑制遺伝子の一種)の発現量を増やし、がん細胞の増殖を抑制することが報告されています。

また、エストロゲン依存性のMCF-7乳がん細胞を使った実験で、エストロゲンとエストロゲン受容体の複合物が核内のDNAのエストロゲン応答部位に結合するところをメラトニンが阻害することによって、エストロゲン依存性の乳がん細胞の増殖を抑えることが報告されています。
動物実験でも、乳がんの増殖を抑える効果が示されています。

銀座東京クリニックのホームページより引用

ところが、夜勤の人は夜に光(電灯など)を浴びているために通常は夜増えるはずのメラトニンの分泌が減ってしまうのです

これでは乳癌のリスクを抑えることはできません。

理由の2つ目は昼夜逆転生活によるストレスです。

概日リズムの異常による「睡眠障害」や「ホルモン分泌の変調」などがこのストレスに関わっています。

地球上のほぼすべての生物には、24時間周期で繰り返される概日リズムが存在し、この体内時計によって睡眠や覚醒、ホルモンの分泌、血圧・体温調節などの生理活動が制御されていることが知られています。

概日リズムの異常は、時差ボケや睡眠障害などのリズム障害を引き起こすだけでなく、がんや生活習慣病、精神疾患などにも関わるとされています。

理化学研究所より引用

 

②仏国立保健医学研究所が「夜勤勤務の女性は通常の女性に比べて30%乳癌のリスクが高い」と発表しています。

理由として挙げているのは①夜起きていることで免役力が弱くなること。

②体内時計が乱れること(時計遺伝子が乱れる)。

です。

時計遺伝子」は24時間周期で生活のリズム(概日リズム)を取る遺伝子です。

理化学研究所が「最後の時計遺伝子」を発見したと発表していましたが、時計遺伝子は実際にあります。

理化学研究所は「STAP細胞はあります」と言っていた小保方さんが所属していた研究所です(笑)

理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、哺乳類の概日リズムをコントロールする新たな時計遺伝子「Chrono(クロノ)」を、ゲノムワイドかつ網羅的な解析によって発見しました。昼夜の転写活性の振幅が大きいという時計遺伝子の特性を強くもつ遺伝子であり、他の時計遺伝子の発現様式がすでに明らかになっていることから、最後の時計遺伝子と目されます。

理化学研究所より引用

以上2つの研究を紹介しましたが、「夜勤が乳癌のリスクを高めること」は間違いないですね。

WHO(世界保健機関)も昼夜交代制の勤務を「恐らく発癌性がある」というグループ2Aに分類しています。

グループ2Aは上から2番目の分類ですので、十分気を付けた方がよさそうですね。

グループ1:発がん性がある
グループ2A:恐らく発がん性がある
グループ2B:発がん性の恐れがある
グループ3:発がん性を分類できない
グループ4:恐らく発がん性はない

ウィキペディアより引用

[参考記事]

「北斗晶さんはマンモグラフィ検診で乳癌に??」

「北斗さんは授乳をしていれば乳癌にならなかったかも」

「乳癌の予防法をまとめてみた。北斗さんの乳癌は肥満も一因か」

「お酒を飲みすぎると乳癌になります」

LEAVE A REPLY

*

Return Top