この記事は「右乳房乳がんの一部温存手術をしたが、断端陽性でした」に続きです。
前回の記事では乳がんの手術を行なった結果、断端陽性の結果が出たという内容です。
通常の手術では、切除した標本の端(断端)を調べることにより癌の遺残の有無を判定しています。断端にまで癌がみられる場合(断端陽性)には、再切除が必要とされています。
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乳がんの手術をしてから2週間後ぐらいに初めて放射線治療を受ける大学病院に行きました。私が温存手術をした病院では放射線治療は行っていなく、市内にある放射線治療を行なっている2つの病院の中から1つを選べました。1つは午前の照射の大学病院、もう1つは午後の照射の病院だったので、出来れば仕事を休まずに通院して通える病院が良かったので午前の大学病院に決めました。
手術をした病院から頂いた資料を持参して、予約した初日は放射線診断科に行きました。今後の放射線治療で使う照射部分の写真を撮ったり、今後の放射線治療についてのお話や日程の予定を聞いて、その日は帰宅しました。放射線治療の際に痛みなど特に無いと聞いたので治療に対する不安というものはあまりなかったです。
放射線治療が始まる
いよいよ放射線治療がスタートする事になりました。放射線治療科に行き、先生の診察と黒のマジックペンで首から胸、脇の下の部分の照射箇所に目印をつけ、先生に「これから平日通院する放射線照射で使うのでこすって消したりしないでください。お風呂の時にスポンジで擦ったりしないように気をつけてください」というお話がありました。首もとが大きく開いている服ですと、マジックで描いた部分が見える状況でした。
病院でお世話になる放射線の技師さんは男性の方が多く、正直恥ずかしさはありましたが、治療なので仕方がないと思って頑張りました。恥ずかしいなんて言っていられません。
診察の次の日から早速、放射線治療が始まりました。朝9時台の照射時間なので、8時半に家を出て照射し、終わってから12時出勤という日々が放射線治療期間中続き、1日が長く感じ、疲れもありましたが、治療が出来て、仕事も出来ている環境にありがたい気持ちでした。
放射線の治療の時に会う患者さんは同じ乳がんの患者さんが多かったですが、年配の男性の患者さんもいて前立腺がんのために放射線を照射されていました。
照射中は多少機械の音はしますが、痛みなどはないです。回数を重ねてくると照射したところの肌がうっすら日焼けをしているような赤みが出て、そのうち薄茶色になりました。
気になる副作用は初日はさすがに精神的に疲れたのか午前中に照射して、そのまま12時から仕事に行き、21時までの仕事でしたが、体調が良くなく吐き気がありました。他は気になる副作用というものはありませんでした。照射の期間中は毎週1回、先生の診察があったので体調や副作用の気になる事を聞くことが出来ました。
気になる乳がんの放射線治療の費用について触れておきます。私が放射線治療で少し大変だなと感じたのは費用の件です。3割負担の保険適応されて1日約5000円弱。平日月曜日から金曜日までの5日間なので1週間で25000円は大きかったです。25回以降の30回までの追加の照射は5000円より多少高かったです。単純に計算して5000円×30回で15万円でした。
ただ、高額療養費という制度があり、5月の手術と入院、6月の手術と入院、7月の放射線治療、8月の放射線治療と続き、これが適応になり、多少低めになった部分はありました。さらに仕事をしていた会社独自の給付金があり、後から戻ってきたお金があったので助かりました。
その後の経過
30回の放射線治療を予定通り終えた後についてですが、私の場合は、治療後5年間は半年に1回、年に2回、通院しました。5年経った後は1年に1回通院をして、経過観察を行なっています。
診察の流れは、医師から「何か気になる症状がありますか?」との問診があり、その後、放射線治療で照射をした部分を医師に診ていただきます。そして、問題がないか首元と放射線を当てた部分(胸と脇の下)の触診もあります。問題なければ「問題無いですね。では、半年後にまた診せてください。」という内容の経過観察の通院です。
現在は照射してから丸8年になり、放射線の経過観察は良好で問題なしです。手術の時に取った検体で調べた検査では断端陽性の診断でしたが、今のところ問題はないそうです。断端陽性ということで再手術の覚悟をしていましたが、幸いにも安泰で過ごせています。
放射線治療の治療跡ですが3年経った頃は、照射部分の皮膚の固さと感覚の鈍さを感じていましたが、治療から5年が経った頃は、肌の固さが消えて柔らかさが出て、感覚が少し戻りました。
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