皮膚は外からの異物をブロックする役割があるのですが、そのバリア機能を壊さないと化粧品で美白という効果を得ることができません。シミはメラノサイトという細胞がメラニンを生成することが要因ですが、以下の図を見て分かるように、メラノサイトは基底層と呼ばれる場所に存在します。ここまで成分を届けないとシミに対する予防効果は出ないわけです。

　そのバリア機能を壊すのが美白化粧品に入っている合成界面活性剤です。合成界面活性剤で表皮の構造を壊し、無理矢理、美白成分を基底層まで浸透させるのですが、この美白成分でメラニンの合成を阻害することでシミを薄くするわけです。

　この作用が最悪な形で現れたのがカネボウの白斑事件です。基底層に染み込ませた成分がメラノサイトを壊してしまった結果、その部分だけ白く抜けてしまった症状が現れました。美白化粧品にはこういう危険な作用があるわけです。

　そもそも、メラノサイトから出ているメラニン色素は皮膚を守るために存在しているわけであり、いってみれば「自然の紫外線吸収剤」です。紫外線によって皮膚の中で毒性(皮膚がんの原因物質)が発生するのを防いでくれています。このメラノサイトを美白成分で壊してしまうのは恐ろしいと言わざるを得ません。黒人より白人のほうが皮膚がんが多い理由はここにあるわけです(白いということはメラニンが少ない)。

まとめ

　美白成分でメラニンの合成を阻害する行為がどれだけ危険だか分かっていただけましたか。「皮膚癌」と「美白」どちらが大事ですか？と女性の皆さんに問いたいですが、そのそも女性は美を追求する生き物です。男を魅了し、子孫を残すというDNAからの指令があるからです。性欲や食欲と同じで、これは仕方がないことです。しかし、皮膚がんになってしまったら、そもそも子孫は残せなくなります。ここに女性たちは気づいていません。

　まずはシミにならないためにどんな生活をすればいいのかを考えましょう。一番、メラニンが出やすい原因は紫外線です。美容整形の高須医院長も言っていますが、紫外線ほどお肌にダメージを与える要因はありません。ですので、夏は特に帽子を被り、そして「アンティサンバン4MMG」のような安全性の高い日焼け止めを付けること(この日焼け止めは「ウソをつく化粧品」という本を書いている小澤貴子さんの会社が製造している商品)。

　それとシミは肌のターンオーバーで消えていきますので、十分な睡眠を心掛けてください。〇〇時までに寝なくてはならないという「寝る時間」はあまり関係がなく、いかに疲れを取るかが大切です。

　まとめますと、シミを作らせないために紫外線に注意することと、睡眠時間をしっかり取ること。これは最低でも守ってください。