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PM2.5で1日4400人死亡。フォルクスワーゲンの責任?

「中国ではPM2.5で年間160万人が死んでいる」とバークリー・アースという機関が発表しました。

なんと1日4400人が大気汚染で死んでいるというのだ。

微小粒子状物質(PM2.5)とは、粒径2.5μm(2.5mmの千分の1)以下の粒子状物質です。

マイクロ(μ)は100万分の1の単位。2.5マイクロメートル(μm)は髪の毛の太さの1/30程度、花粉より小さい大きさとなります。

またPM2.5は、単一の化学物質ではなく、炭素、硝酸塩、硫酸塩、金属を主な成分とする様々な物質の混合物となっています。

佐賀県のホームページより

実はこのPM2.5はディーゼルエンジンの排気ガスに多く含まれており、ディーゼルエンジンが主流である欧州の空気は酷い現状になっています(イギリスやドイツのディーゼルエンジンのシェアは40%)。

ロンドンの大気汚染は北京より酷いのだ。

 コペンハーゲンに拠点を置く欧州環境機関(EEA)が2012年に実施した調査によると、ロンドン中心部のメリルボーン・ロードにある計測装置が示す大気汚染物質、二酸化窒素(NO2)の濃度は 1立方メートル当たり94マイクログラムと、欧州各都市の1513カ所中で最も高かった。
これに対し、中国環境保護省が発表した13年の北京のNO2濃度は同56マイクログラム

fujisankeiより転載

2010年にロンドンではPM2.5のせいで年間3400人が死んでいる(イギリス全体では年間3万人近くが死んでいる)

二酸化窒素とPM2・5両方をあわせた若い世代の2010年の死者数は9416人であり、1日あたり25人に相当。

英国全体では、今年の大気汚染による死者数は約8万人(うちPM2・5が原因の死者数は2万9千人)に達すると予想されている。

ジャーニーより転載

空気が悪いから中国に行かない人がいるが、ヨーロッパにも行ってはいけない(ヨーロッパでロンドンの次に空気が悪いのがドイツのシュツットガルトだ)。

ヨーロッパの空を汚した犯人は誰か。

それはフォルクスワーゲンを初めとしたヨーロッパの自動車メーカーです。

フォルクスワーゲンといえばトヨタを抜いて生産台数1位の自動車メーカですが、致命的なミスを犯してしまった。

フォルクスワーゲンはディーゼルエンジンの排ガス規制をクリアするために、試験の時にだけ良い数値が出るように、プログラムを変更した車を用意していたのだ(これが判明してから、株価は大暴落し、株主からは訴えられる事態にまで発展している)。

VWの自動車に搭載された電子制御装置内の排ガス抑制を「無効化」する不正ソフトウエアは、試験走行時にはEPAの定める排ガス規制に適合するように、また通常走行時にはエンジン性能を最大化するため排ガス低減装置の一部もしくは全部を無効化するように切り替わる。

ロイターより転載

路上実験での実際の数値は欧州基準の40倍も多い有害物質を出していたのだ(この路上実験で使った計測器は堀場製作所という日本のメーカーです)。

その結果、アメリカで最大2兆円の罰金を払う可能性があり、さらには修理するための費用で1兆円を超える費用が必要です(対策費に9000億円を引き当てたと報道されているが、恐らく足りない)。

一番問題なのはフォルクスワーゲンが現在の欧州基準をクリアする技術を持っているかです。

このリコールに対処できないと、フォルクスワーゲンは解体に追い込まれるでしょう。

この不正で何千、何万の人が排気ガスで死んでいるのですから、欧州の市民が許すわけがありません。

また、中国の大気汚染で1日4400人が死んでいる責任の一端はフォルクスワーゲンにもあるでしょう。

フォルクスワーゲンは中国で年間200万台の新車を販売しているのですから(中国でのシェアは1位。全生産量の5分の1が中国)。

中国人に見捨てられたらフォルクスワーゲンは終わりです。

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