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セラミック矯正で抜歯ってダメでしょう

 

 セラミック矯正をしている下のユーチューブ動画を見ていたのですが、本当に驚きました。

 なんと出っ歯を治すために前歯2本を抜歯。
2016-04-11_180923

 下の写真を見るとちょっと出っ歯感がありますが、前歯を抜くほど酷い出っ歯ではないように見えますが。

 そして、前歯2本を抜歯した後はその場所を埋める必要がありますが、それにはブリッジを使用します。ブリッジを分からない人のために下のイラストで説明します。下の黒くなっている3本の歯がブリッジだとしますが、真ん中の歯がないので、その場所を噛めるようにするために両端の歯を削ってクラウン(差し歯)をはめ込みます。この3つに繋がった差し歯がブリッジです。

 ブリッジは問題ない治療のように見えますが、真ん中に歯がないので、その分、噛む時の力が両端の歯にかかってきます。そうすると時間が経つにつれて、その力によって両端の歯の寿命が短くなるのです。車でも10万キロを走ると壊れてきますが、それと同じ原理です

 抜歯後、セラミックでブリッジを作ると下の写真のようになりますが、見事に出っ歯は直っています。抜歯をしているので当たり前と言えば当たり前ですが。

 この施術をしている病院はもちろん最悪ですが、この動画に出ている18才の女性にも責任があります。治療に同意をしている訳ですからね。本当に考えが浅はかです。絶対将来後悔することは間違いないです。

 そもそも、セラミック矯正ってその日のうちに歯を一回り小さく削って、歯の型(差し歯を作るための型)を取るわけですが、これが間違っているのです。歯茎の状態が良ければいいのですが、この病院では歯周病や歯周炎の患者にも、その日のうちに型を取っているようです。これは本来やってはいけないことです。歯周病や歯周炎のある歯茎は本来の形ではないので、例えば数か月後に歯周病や歯周炎が治ったとすると、作った差し歯が歯茎のラインと合わなくなります。

 歯周病や歯周炎が治ってからでないと型を取ってはいけないのは常識ですが、美容外科や保険医療の歯科医院はそんなことはお構いなし。動画を見ていると患者さんは近県の人だけではなく、「沖縄から来ました」という患者さんもいますので、歯周病や歯周炎を治療している時間的な余裕がないのです。

 私が通っている歯科医院は全て自費治療ですが、歯茎の状態が悪いと治療をしてくれません。歯茎の状態が悪い場合、歯科衛生士が歯磨きの指導を行ってくれて、歯茎の炎症が収まってから虫歯などの治療を始めます。これが本当の歯医者であることを覚えておいてくださいね。

[参考記事]
「歯列矯正の失敗! クイック(セラミック)矯正は後悔する」

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