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エビリファイの副作用により喜怒哀楽が消えた。医師の誤診が原因?

この記事は20代の男性に書いていただきました。

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「エビリファイを飲み始めるまで」

 二〇一四年の夏の事です。転勤で東京に出てきた私でしたが、満員電車や慣れない都会暮らしに加え、対人関係の疲れから精神的な疲労を感じるようになりました。元々内向的な性格がさらにこじれ、睡眠不足や被害妄想などに苦しめられるようになりました。

 その苦しさから逃れる為に精神科に駆け込んだ私は、医師に自分の苦しみを打ち明けました。すると医師は「統合失調症」の恐れがある、と見立て(今思うとこれは大変に早すぎる診断だと思います)、抗精神病薬のエビリファイと睡眠薬のデパスを飲むように勧めてきました。

エビリファイの効果

 飲んでみると少しは楽になったような気がしました。これまでどんよりとした気持ちもある程度薄れ、食事も美味しく摂れるようになり、睡眠薬の効果もあって一応は眠れるようになりました。

 しかし、その効果も長くは続かず、度重なるプレッシャーや増々のしかかる責任によって引き起こされる被害妄想などが、その薬効を上回るようになってきたのです。すると、今度は薬を飲む以前よりもますます被害妄想に苦しむようになりました。

 その旨を医師に話すと、「エビリファイの増量とリスパダールの追加で様子を見ましょう」と言われ、その通りに従いました。

エビリファイを飲み続けた結果

 しかし、その処方もまたイタチごっこに終わりました。飲んで一時的には良くなるものの、すぐに悪くなって薬が増やされる――当然、薬代や診療代もかさむようになり、家計を圧迫するようにもなりました。

 そんな中、異変を感じるようになったのは薬を飲み始めて半年ほど経った頃です。その頃、薬の量は以前の倍ほどになっておりました。そんな私が経験した副作用は以下のようなものです。

副作用①動悸がとまらない
 心臓がドキドキと高鳴り、息が苦しくなるのを動悸といいます。元々心臓は強いほうでかつてはスポーツもやっておりましたから、そんな動悸を経験した事はありませんでした。

 しかし、薬を飲むようになってからは、いつでもどこでもドキドキと心臓が高鳴り、苦しい思いをするようになりました。特に人前や満員電車の中で出たりすると、卒倒しそうでますます怖くなりました。

副作用②人の目が気になって外に出られない
 一種の強迫性障害のような症状だったのかもしれませんが、これも酷くて随分と悩みました。まず、電車に乗りづらくなり、人の目ばかり気にするようになりました。

 体臭や口臭、見た目なども気にするようになり、異常な回数の歯磨きや入浴なども行なうようになりました。また、人の目が怖いこともあって、職場の中でも孤立するようになりました。

副作用③被害妄想と頭痛
 被害妄想も強迫性障害のようなものだったのではないかと思いますが、あれこれとあることないこと自己批判や悪口などを思い描くようになり、その度に酷い頭痛に襲われるようになりました。その頭痛の痛さ、苦しみたるや言語を絶するほどのもので、こうなったら最後、睡眠薬を飲んで強制終了をするより他はないほどでした。

副作用④感情が消えた
 その中でも特にひどかったのが、喜怒哀楽の感情や興味関心が薄れてしまった事です。これは重大な問題で、一時期は本当に死んでしまおうかと考えてしまったほどです。

 心の中から喜怒哀楽という感情が消え失せ、もぬけの殻の如くに振る舞うことしかできなくなりました。

 私はゲームや映画鑑賞などが好きな人間で、暇さえあればそういう事を楽しむよう心がけてきましたが、全く楽しめなくなりました。それどころか、ゲームやテレビから出てくる音、映像が煩わしく感じるほどで、何度頭を抱えては睡眠薬を飲んだかはわかりません。

 よく漫画やゲームなどで「時よ止まれ!」というような能力がありますが、感情を失ってからは、本当に時が止まってしまったような苦痛と悲観の日々を過ごしておりました。感情がなく、楽しめるものがない上に、時も全然進んでくれない苦しみ(時間感覚が遅い)は思い出したくないほど、苦しいものでありました。拷問と言っても過言ではないほどです。

その後

 そんな身体になってまでも、私は薬を飲み続けていました。しかし、青ざめて痩せこけた顔にフラフラとしている私を見かねた同僚が、セカンド・オピニオンを勧めてきました。

 当初は薬を飲まなくなる恐怖もあって、ためらいましたが、今のままずっと過ごすのも何かと思い、同僚の言葉に従って、セカンド・オピニオンを受けました。

 その病院で言われたことは、薬の量があまりにも多いこと、統合失調症は簡単に診断を下せない事の二つでした。医師は薬害の恐ろしさをコンコンと説き、もう一度身体と精神をリセットするために、脱抗精神病薬の段取りを立てて下さりました。

 そして、私の体の酷さを見かねてか、しばらく休養を取るように勧め、診断書も書いて下さりました。その言葉に従って、三ヶ月ほど休職願を出し、療養に入りました。

 最初の一月はあの飲みすぎた薬の毒が残っていたのか、感情や思考もフラフラとしていて記憶も定かではありません。ただ、脱抗精神病薬するようになってから、少しずつ感情を取り戻すようになり、乱用中は苦痛とさえ感じていたテレビや読書、ゲームなども面白く感じるようになりました。

 今ではすっかりと心も身体も安定を取り戻し、信頼できる医師が出す軽い薬だけで健やかに暮らしています。精神病は一筋縄では行かないのが難しい所であります。

 しかし、たかだか数回の診断で「統合失調症」と判断し、強い薬を出してくるような場合は、セカンド・オピニオンをおすすめ致します。私のようなものの意見で、被害者が減るようになれば良いと願っております。

[参考記事]
「エビリファイ(鬱の薬)の副作用で眼球が勝手に動いてしまう(眼球上転)」

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