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抗生物質の副作用により性器から膿。医師も驚いた症状とは

 

この記事は20代の女性に書いていただきました。

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 3年ほど前の3月のことです。大学生の私は就職活動に追われ、毎日多忙な生活を送っていました。ある朝、のど痛みがあり「これは熱が出るかもしれないから、かかりつけ医にみてもらおう」と思い、医者に行きました。診断した医師からは「過労による風邪でしょう」ということで、抗生物質の「クラリスロマイシン」を3日間程分処方されました。昼と夜に服用し就寝したところ、夜中の1時頃異変で目が覚めました。「なんか熱っぽいかもしれない。それに膣のあたり、陰唇がかゆい」と思いトイレに行くと、まるでお漏らしをしたようにパンツが濡れていました。この時は「熱を上げて、体が風邪を治そうとしている」としか思わず、一応昼用ナプキンを装着しました。

 熱は38度で、一般的な風邪と思っていました。しかし性器のかゆみは酷くなる一方で掻かずにはいられませんでした。結局2~3時間眠ることができず、気になってトイレに行ったり新しいナプキンに取り替えながら性器を掻きむしっていました。

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症状の発症

 翌朝目が覚め、熱を測ると40度近くまで熱が上がっていました。その日は土曜日で、月曜日には就職活動の最終面接が迫っていましたので、なんとか熱を下げなければと思い、処方されたクラリスロマイシンを服用し昼まで寝ていました。

 昼頃尿意で起き、トイレに入ると昼用ナプキンに卵の白身のようなものが表面に溜まっていました。さすがに心配になりトイレから出て洗面台に向かうと、顔中真っ赤に腫れて、小さいニキビのようなものができていました。顔中腫れていたため、ほうれい線やしわがなくなり、まばたきや口を開けるのもキツくなっていました。更に手足を見てみると顔と同じように赤くなり、白いぶつぶつが胸元やおなかの方まで出ていました。

 かかりつけの医者は閉まっていたため救急センターに向かうと、担当医師が耳鼻科医だったためか、あくまでも「のどの痛み」ということで新たに「セルテクト」というアレルギー症状(鼻水、湿疹、痒み等)を軽くする薬と「SPトローチ」というのどや口を殺菌する薬を2日間分処方されました。

症状の深刻化、クラリスロマイシンの副作用

 日曜日の夜までクラリスロマイシンとセルテクト、SPトローチを服用していましたが、症状は酷くなるばかりでした。舌は舌苔が無くなり、ピンク~白っぽいぶつぶつができていました。また、口の中が敏感になり塩気の強いもの・熱いもの・冷たいもの・辛いものを食べると口の中が痛く感じました。

 不安になり、元看護師の母に電話をしてみると「もしかしたら抗生物質によるアナフィラキシーショック(アレルギー症状)かもしれない。明日は朝は薬を飲まずに総合病院に行きなさい。もし夜息苦しくなったら窒息する可能性があるから救急車を呼びなさい。」と言われました。その日は恐怖で眠ることができず、翌日総合病院へ行きました。

医師の診断

 一番最初に皮膚科を受診すると、医師からは「こんな症状は初めてみました。理由は正直分かりません。調査のために写真を撮らせてください」と医師も初めてみる症状だったようです。ステロイド剤が入った「ロコイドクリーム0.1%(顔用)」と「サレックスクリーム0.05%(顔以外用)」の塗り薬とフェキソフェナジン塩酸塩錠60mgという皮膚炎や蕁麻疹を緩和する薬を処方してもらいました。

 次に泌尿器科を受診しました。診察台に乗り足を広げると「これはおりものではなく膿の可能性が高いです。尿検査をしましょう」とこちらの医師も驚いていました。一回目に尿検査をしましたが、医師からは「普通の人が顕微鏡の中に細菌が10個いるとしたら、あなたには1000個以上の細菌が入っています。白血球の数も異常です。膿の量が多すぎて詳しい判定ができません。」ということでした。

 2回目は尿道に直接カテーテルを差し込み採尿することになりました。ただでさえ炎症で性器全体が荒れていたのでかなり痛みました。検尿の結果は、尿は綺麗とのことでした。つまり体内もしくは尿道あたりが炎症しているのではなく、膣口または陰唇に炎症があるとのことで次は産婦人科に行きました。

 産婦人科で見てもらうと「クラミジアに似ている」とのことでした。しかしクラミジアの性病検査を受けたところ陰性でした。結果的にはなんらかの原因でかゆみが発症し、それをかきむしったことによる細菌性膣炎ということでクロマイ膣錠100mgを処方されました。

 最後に内科を受診し、一番の原因がクラリスロマイシンなのかは分からないが、それを飲んだ後に起こったという話を医師にすると「今回は色々が重なって偶然、抗生物質によりアナフィラキシーのような症状が出たかもしれませんが、何があるかわからないので、今後は一切飲まないようにしてください」と言われました。クラリスロマイシンの添付文書には「アナフィラキシー」と書いてあるので、これで間違いないと思います。

(1)重大な副作用(頻度不明)
1)ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、痙攣、発赤等)をおこすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

クラリスロマイシンの添付文書より引用

その後

 その後あらゆる科から処方された薬を服用したところ、5日間ほどですべての症状がなくなりました。38度を超える熱は3日間ほど続きましたが…。

 それからは初診の病院では必ずクラリスロマイシンと、同系のマクロライド系のアレルギー有ということを問診票に記入するようにしました。さらには万が一出先で倒れ、救急搬送をした時のことも考えて常にお薬手帳を持ち歩いています。

 今まで副作用が出なかった薬でも、体調や飲み合わせなどで副作用がでることもあります。特にアナフィラキシーショックは皮膚炎や腹痛下痢のものから血液障害や窒息など多くの副作用があります。副作用が軽度の場合、その薬が原因かを見落としがちになります。

[参考記事]
「病院から貰った抗生物質(薬)でアナフィラキシー。救急搬送寸前」

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