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てんかんの薬デパゲンの副作用で20kg太ってしまった経験

 

この記事は26歳の女性に書いていただきました。

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デパゲン処方のきっかけ

 私が二十歳くらいの頃の体験談です。当時は鬱症状が酷く、気落ちしている時は衝動的に自傷行為をしてしまう事もあり、心療内科の診察は必須のものとなっていました。鬱症状の為に日中に服用する他の抗うつ剤と併用で、この「デパゲン」を処方されました。抗てんかん薬であることから自傷行為の防止なども視野に入れた治療だったと記憶しています。

3か月で15kg太る

 ルックスに関して敏感だった年頃なこともあり、普段からダイエットをして体型を維持していました。しかし、「デパゲン」を処方された頃に「食欲」に異常性が見られるようになりました。

 他の抗うつ剤の作用もあったのか昼夜問わず意識はぼんやり、アルバイトも辞め、特に目的も無く一日を過ごすようになっていました。食欲の異常は主に夜中に多く見られました。一日を通して眠っていることが多く、生活バランスは崩れていたので夜中に急に元気に活動的になってしまう日も多くありました。夜中になるとコンビニへ行き、スナック菓子や甘いお菓子を気が済むまで買ってしまうようになりました。特にチョコ系の甘味が強いものは満足度が高く、飲み物までも甘いものを好むようになりました。

 このようにルックスの変化に敏感だった自分はどこかへ去ってしまったかのように、夜中はずっとお菓子を食べていました。とにかく食べている時が幸せでした。 食べるものが手元に無いと気落ちをして不安になりました。

 そんな暮らしをしていましたから当然、体重は増加します。気落ちしてお洒落に無頓着になり、体重計も使わないようになっていましたが、友人から指摘されたことで体重を計測してみると既に15kgくらい太っていました。お気に入りだったデニムやTシャツは着れなくなっていき、ヒールのある靴も履けなくなり、たまの外出の時は作りがゆるめの服装で行くしかありませんでした。

 体重が増加したことで体の倦怠感は増し(当時はそう気付いていなかった)、布団で横になっている時間も増えていきました。駅でたまたま会った友人や、成人式で着物をギリギリ着ている私を見た友人は、正直ドン引きだったと数年後に聞かされるほど。特に成人式は、着物姿の写真を撮った時も既に太っていましたから「いつか痩せたら写真を撮り直そうね」と言った両親には本当に申し訳なく思っています。

体重増加による「自身喪失」と「引きこもり」

 友人たちは心配のメールをくれていましたが、どんどん太っていき鬱状態も酷い私には腫物に触るような事だったようです。遊びや飲みに誘われる機会も減って外出が減り、引きこもり状態になっていきました。何より、「こんな体型になった自分を見られたくない」と思っていました。日中の外出は避け、夜中はコンビニでお菓子を買う。そんな日々でした。

 好きな洋服が着られない、外出時に他人の目が気になる、そんな日々で完全に自信は喪失していきました。理解のある友人と外出をした日もありましたが、全身の倦怠感が酷く途中で帰宅したこともありました。私を心配してファミレスで何時間も話を聞いてくれる友人もいましたが、意識がぼんやりしていたし、会話もあまり理解出来なくなっていたので、結局どんな話をしていたのか覚えていません。

 何をしていてもぼんやりとしていて集中力が無い為、目的があって取り組んだ事も上手くいかないようになり、自分が生きているのか、そうでは無いかすら分からないような日々でした。

 引きこもりの状態は約二年続きました。体重は最初のこ頃から20kgくらい増加し、友人からの連絡はかなり少なくなっていました。そんな状態を見た心療内科の医師はようやく「デパゲン」の処方を止めました。他の抗うつ剤もバランスを見て減らし、数か月後にようやくアルバイト探しの求人誌を見れるまで元気になりました。

 離脱症状は特に目立たず、「デパゲンを辞めたら元気になってきた」と感じる程でした。アルバイトに復帰出来た頃には体重は10kgくらい減っていました。衝動的な自傷行為は治まっていたのでようやく周りから「元気になったね、もう大丈夫そうだね」と連絡がくるようになりました。

体重増加、自信喪失、引きこもり。

 「デパゲン」服用が全ての理由では無いですが、もし私が「デパゲン」を服用していなかったらどうなっていたのだろう。他の薬で治療を進めていたら、こんなに酷い変化は現れ無かったのではないかと思ってしまいます。

 二十歳という多感な時期の体重増加で、体格が変わってしまった為に私は今も大柄なままです。約二年に渡る日々の事を今でも悔やんでいますし、取り戻せない大切な時間の記憶がほとんど無い自分を、まだ好きにはなれていません。

[参考記事]
「てんかんの薬デパケンの副作用で傾眠状態が続いた患者の事例」

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