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喉頭炎の薬ムコダインの副作用により全身に薬疹

 

この記事は30代の女性に書いていただきました。

……….

 私は幼少期から喉と気管支が弱く、風邪や喉頭炎を度々繰り返して来ました。2年前の夏、過労から喉頭炎を発症し、喉の痛みと耳の痛みに襲われ、発症から1週間後に酷い中耳炎になってしまいました。喉の炎症を引き起こした菌が耳に入ってしまったようです。

 喉の炎症は数日で治まったものの、右耳に出た中耳炎の症状は悪化する一方。当時診察を受けた内科のかかりつけ医に相談し、耳鼻科の専門医に診てもらうことになりました。診察の結果、「滲出性中耳炎」という診断が下りましたが、右耳の聴力が極端に落ちていました。熱も痛みも治まっていたので、去痰薬のみで様子を見ることに。この時に処方されたのがカルボシステイン錠(ムコダイン)でした。

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薬を飲んで2日後、身体が痒くなる

 1日3回、きっちりカルボシステイン錠を飲んでいましたが、飲み始めて2日後の夕方、太腿の辺りが猛烈に痒くなり、仕事中だったので急いでお手洗いに行きました。慌てて患部を確認すると、直径1mm程度の小さくて赤い発疹が太腿とお腹、腰など全身にびっしり。肌の表面も蕁麻疹ができたときのようにボコボコになっていました。

 「これって薬疹…また出たの?」ととっさに思いました。

3度目の正直

 実は以前に2度薬疹になった経験があります。簡単に2度の薬疹に関して説明します。
◎1度目:気管支炎の時
キプレス錠(喘息・鼻炎等のアレルギー薬)
レスプレン錠(咳止め)
クラリシッド錠(抗生物質)
ムコダイン錠(去痰剤)

 薬を飲み始めて3日後の昼頃、薬疹発症。この時の薬疹は症状が酷く、胴体全部と太腿〜膝裏まで肌全体が真っ赤になってしまい、直径1cm前後の膨疹があちこちに出ていました。直ぐに皮膚科へ行き診察し、「薬疹で間違いない」との診断でした。翌日までに赤みが引かなければ入院です、と言われましたが幸い大事には至りませんでした。肌全体の赤みが引いた後、赤くて細かい発疹が身体中にある事に気付きました。

◎2度目:気管支炎の時
リン酸コデイン散・酸化マグネシウム・dlメチルエフェドリン(咳止め)
ミノサイクリン錠「サワイ」(抗生物質)
カルボシステイン錠「トーワ」(去痰剤)

 薬を飲み始めて4日後の夕方、薬疹発症。初回と同じく胴体全部と太腿に症状。前回のような肌全体を覆う酷い赤みは出ませんでしたが、赤い発疹と小さめの膨疹は全体に出ていました。

 そして今回、再び薬疹を発症したのですが、処方されたのがカルボシステイン錠のみだったため、ようやく3回の薬疹の原因の薬が特定されたのです。

まとめ

 ムコダインは気管支炎や中耳炎、副鼻腔炎の去痰剤としてよく使われていて、副作用が極めて少ない安全な薬と言われています。KEGGデータベースによると、副作用が出現したのは約100人に1人ですが、その中でも薬疹の症状はかなり珍しく、約1000人に1人の割合になります。そのため、かかりつけ医もムコダインが原因だとは思っていなかったようです。

 原因の薬が特定されたのは怪我の功名と言うべきなのかもしれませんが、症状が治まるまで4〜5日かかりますし、あの猛烈な痒みは大人でも耐え難いものです。もし、皆様の中で薬疹の経験がある方は、その時処方された全ての薬を疑った方が良いかもしれません。安全と言われる薬も注意が必要なのだと思い知らされた出来事でした。

[参考記事]
「バファリンの副作用でアナフィラキシーに」

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