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乳がん体験記 原さん編⑤院長先生にリンパ節郭清の見解を聞く

 

この記事は「[乳がん体験記 原さん編④]他院でのセカンドオピニオン」の続きです。

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色々調べるうちに分かったことですが、昔の乳がんの手術では、腋の下のリンパ節を取る(郭清する)のが標準術式でした。しかし、リンパ節を郭清するとリンパの流れが悪くなり、浮腫(顔や足などのむくみ)などの重篤な後遺症が出る場合があります。それでは、リンパ節に転移のなかった場合は「取られ損」になってしまいます。

そこで、センチネルリンパ節(SNL)生検という方法がとられるようになりました。センチネルリンパ節は、癌が転移する際に最初にたどり着くリンパ節で、ここに転移がなければ転移はないということです。手術中にセンチネルリンパ節を数個取り転移があるかを調べます。転移がなければそのまま閉じ、転移があれば腋下リンパ節の郭清を行います。

私は、癌が寛解しても浮腫の心配をしながら一生を過ごすのは、どうかと思いました。
浮腫に良くないとされることを調べると
*術側の手で重いものを持つ
*長時間飛行機に乗る
*ペットに引っかかれる
*虫に刺される 
(これ以外にも注意点は色々あります。)
仕事や趣味でペット、ガーデニングに関わっているので、それを心配し気をもむような毎日は避けたかったのです。

その頃、ネットサーフィンしていて偶然一つの記事にたどり着きました。「JAMA誌2011年2月」掲載の論文で、転移陽性のリンパ節が1~2個の患者は、郭清(リンパ節を取る)しなくても予後に変わりはないという趣旨のものです。それを読んで、出来ればセンチネルリンパ節転移の数が少なければ、郭清(リンパ節を取る)しないで欲しいと思い始めました。

セカンドオピニオンを受けた病院の院長先生(50代後半位)はその論文のことはご存知でした。転移陽性のリンパの数が少なければ郭清しないことについては「良いんじゃないですか。色々な患者さんがいらっしゃいますから。放射線治療はどうしてもいやだという人もいますし」

私は1万円払って(セカンドオピニオンは自費です)この答えでは、収穫がなさすぎる、もっと詳しく聞かなければと思いました。

私「リンパ節に転移している確率はどれくらいと思いますか?」

院長「おそらくですが、10%未満です」

私「もしセンチネルリンパ節の転移が3、4個だったらやはり郭清した方が良いのでしょうか?」

しまいに先生は笑いだしてしまいました。
院長「そんなに心配しなくもたぶん大丈夫ですよ。」
安心させようとして下さったのでしょうが、自分の身に降りかかったことは、当然心配せずにはいられないのでした。

最後に私はがん治療と言えば抗がん剤のイメージがあったので、「抗がん剤治療は必要ですか」と質問しました。
そうしたら院長先生は
「ホルモン剤が良く効くタイプなので必要ないでしょう」
との回答でした。

病室を出ると、病院の診療時間を過ぎており、待合室には患者さんの代わりに、製薬会社の営業と思われるスーツ姿の男性がズラーッと座っておられました。その前を通って、帰らなければならず、何とも気まずい思いでAクリニックを後にしました。

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続きは「乳がん体験記 原さん編⑥]医師からの警告と職場の上司への告知と反応」

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